「新型ウイルスで亡くなった方が538名、国民の皆様の
おかげで感染者数も抑えられています。まだまだ、完全な
収束には長い時間が・・・」
都知事は会見でそう言った。
僕はその会見を最後まで聞くことなく、TVを消した。
538名もの尊い命がなくなっていることに関して
都知事は何も言わなかった。
新型ウイルスのせいでこういう事態になったくらいは
分かっているはずなのに・・・。
その中にはウイルスに感染している症状が出ている方が
自治体から自宅待機を余儀なくされて病院で治療も受ける
事もできずになくなった方までいるというのに。
知事という立場が今、どれほどの仕事があるのかは分からない。
せめて、一言でもお悔やみの言葉を聞きたかった。
知事のせいでなくなったわけではない事も
病院の病床が足りず、受け入れができなかったという
理由も知っている。
僕がこれだけ不快に感じている
遺族の気持ちを考えるとかける言葉が見つからない。
ウイルスで亡くなった方の遺骨を葬儀社の職員が
どう扱うかご存知だろうか。
玄関の前に置いて、その場を去るのだ。
その映像を見て、僕は酷い嫌悪感を感じた。
関東では今日も何十人もの人が感染して
医療関係者の方々は命を懸けて治療にあたっている。
それくらいは知事も知っているだろう。
国民の命を、大切な人を突然失った遺族の痛みに
少しでも気を回せないだろうか。
そんな政治家が指揮を取る国こそ
この世の地獄だというのだ