わたしはず〜〜〜っと
自分には何にもなくって
だけどプライドだけは高くて
だけど学識も何もなくて
だけど自分ではどうしようもなくて
だから
「虎の威」が大好きだった。
心地よかった。
そんな卑怯者だった。
そう思ってた。
20代の頃は、芸術関係に興味があって
音楽や美術に長けた
自分より20歳も30歳も上の落ち着いた年齢層の方のコミュニティにしれっと入り
まるで自分も長年そうしてきたかのような顔をして
そして若さでちやほやしてもらえる快感。
まるで温泉に浸かっているかのような感じ。
その後も
自分に自信がなくて、
「なんかすごい人」のそばに
なんでかしれっと一緒にいさせてもらえて
わたしは「虎の威を借る狐」だと
ずっとそう思ってたんだよね。
わたしなんて空っぽで
周りの人の力で助けていただいておりますですよ
そう思ってた。
だから、
「人を見透かす目を持った人」と感じる人
「真理を見抜く人」と感じる人
が怖かった。
無意識に避けてた。
狐だってバレるのが怖くて。
けどね
狐は狐で賢いんだよ
虎のそばにいても違和感のない何かを持ってるんだよ
虎の威を借りることができるなんて、すごいやん
だって食われるピンチを知恵で回避しただけでなくそれを借りたんやもん
わたしは「虎の威を借る狐」だとず〜〜〜っと思ってたけど
虎も本当はずっと後ろになんていなくて
わたしは
ただ
わたしだったんだ
周りにはとっくにそう思われてたんだよね。
みんなそう言ってくれてたんだよね。
だけどその言葉を「本当のわたしを知らないからだ」と受け取れてなかった。
そのまんまもらったらよかっただけ。
今のわたしは
どんな人でも素直に話せる。
いつだって飾らないそのまんまの自分でいられる。
「わたし」は誰にも取られない
わたしは、わたし。