「あぁ、早いもので今年も師走を迎えた。今年もやり残したことが多かったなぁ…」などとの想いをいだいていたと思っていたこともつかの間、年の瀬は確実に年明けに向けてまっしぐら…の様相を呈しています。

 

つい数日前にウチの工房&カフェにて開催された「メゾン・ド・マルシェ」も、それなりに盛況のうちにその幕を閉じることが出来ました。

 

マルシェを主催したウチの女房どのも自身のインスタにて、マルシェにお越しいただいた皆様にお礼のメッセージを投稿しています。この投稿記事をもって、私からの感謝の言葉とさせていただきます。

 
そしてきわめて私的なことですが、今回のマルシェ開催の真っ最中にウチの2階に住まう私の母が96回目の誕生日を迎えました。おりしもマルシェ開催中で、誕生日祝いもそこそこに済ませて幾数日…。
 
折り合って つい先ごろ、あらためて母の誕生日のお祝いとしてウチの二人から、母が大好きな市内の名越にあるお寿司の名店「登茂ゑ寿司」さんのお寿司をプレゼント…。
 
「登茂ゑ」さんにお願いして、とても美味しい握り寿司をあえて寿司折に収めていただきました。
包装紙の深緑と白い文字で記された魚の名前が、なんとも「昭和の寿司折 ここにあり」という感じそのものです。
 
寿司折を開くと
いわゆる「インスタ映え」とは無縁ながら、じつに端正な握りがきちんと収められています。ワタシ的には、お寿司はこのようなシャリとネタのバランスが良く気品ある感じが一番のような気がします。
 
ちなみに「登茂ゑ寿司」さんのカウンターでは、お店の木村大将(写真奥)をはじめとする名職人さんがワタシが制作した平四角皿にお寿司を供してくれます。
 
本当に美味しいお寿司です。鎌倉にお越しの際には、ぜひ「登茂ゑ寿司」さんに足をお運びください…。
 
ともあれ、ここ数日の間に冬の足音はまさにその歩を進め、愛車メガーヌで朝から出かける際にふと車外温度計に目をやると
それはまさに、凍結温度寸前! です。
 
年の瀬、そして年明けを無事に迎えるまで、諸々の陶芸活動はもとより年賀状制作やお正月の設え、その他にも乗り越えるべき課題満載にてまさに「諸行無常」というべきか「諸行過剰」というべきか…。
 
とにもかくにも、体調にくれぐれも気をつけて、ゆく年くる年をつつがなく迎えたいものですね…。
 
 
 

 

ここ数年来、猛暑の名残がいつまでも続いて秋の気配を感じる間もないうちに12月に入っていきなり冬到来という状況が続いていました。そのような中、今年は11月にいきなり気温の低い日々が続き、そのおかげで例年にも増して紅葉が鮮やかな秋を迎え、今も街のそこかしこに秋色に輝く木々が街並みの中に美しく溶け込んでいます。

 

そして師走を迎えて人の心も街の気配も、少しずつあわただしさを増してきています。そのような中、この週末にウチの工房&カフェにて今年最後の「マルシェ」開催の運びとなりました。

 

 

年の瀬のマルシェに展示販売していただく方々はこれまでにも何回もご協力、ならびに参加してくれている作り手さん。

 

家庭用編み機でカシミアのウエアを制作するnaocoさん、そしてMINTSさんはバッグをはじめさまざまなアイテムを展観。

 

tsugumi Franceさんはフランスのアンティーク雑貨をメインに、佐助の工房にフレンチの風を運んで来てくれます。

 

ウチの女房どのがブランディングしている鎌倉スパイス、鎌倉紅茶はじめ様々なアイテムももちろん勢ぞろい。

 

私の作品もこっそり、そしてしっかり展観しています。

 

師走最初の週末、年の瀬のとかくあわただしい気持ちをそっととぎほぐ「マルシェ」の時間はいかがでしょうか…。

 

 

 

それは今から4日前の7日の金曜日に「立冬」を迎え、暦の上ではこの冬はじめての日曜日となった9日午後。陶芸教室を終えてそそくさと横須賀線に乗ること約3分、北鎌倉駅を降り立ってほんの1分ほどのお店の前へ。このお店こそ、ワタシのこのブログでも何回か記述している、北鎌倉のランドマークというか、酔っ払いさんの聖地ともいえる「侘助」さん。漢字の店名表記として正しくは、人偏の右側はウ冠にヒの字を組み合わせた文字なのですが、Amebaブログでは変換不能な難関漢字?…。

 

まさに間もなく開演となる東家一太郎さんの浪曲会

へ向けて、準備真っ最中といったところです。

 

そして小雨そぼ降る午後3時半、いよいよ「東家一太郎『侘助 』浪曲会」の始まり…。

開演にあたり、このたびの浪曲会の席亭を務める写真家・関戸勇さんが、あらためて東家一太郎さんと妻で三味線を奏でる曲師の美(みつ)さんを紹介。そして今から15年ほど前に東北地方で一太郎さん夫妻にはじめて出会ってお二人の人柄と芸に惚れ、以来親交を深めてきたことを手振りを交えてほんわか、熱々トーク…。そして、関戸さんをはじめ北鎌倉の多くの人達が保存運動を活動中の北鎌倉駅横に残る「緑の洞門」保存運動にも一太郎さん夫妻が協力してくれていることも紹介し、「侘助」の店内に居合わせた40名を超えるお客様の間から万来の拍手が巻き起こったことは言うまでもありません。

 

思い起こせば、一太郎さん夫妻の浪曲会の折、一太郎さんが洞門保存に向けて会の合間にわざわざ時間を割いて、洞門の歴史や現状を解きほぐいてくれた光景を思いだしました。

蛇足ながら、この写真は今から7年前の冬に銀座のギャラリーで関戸さんの写真展に合わせて開催された浪曲会のワンシーンですが、一太郎さん、若い!…

 

関戸さんの席亭としてウイット溢れる口上を経て、一太郎さんの浪曲がスタート。まずは一太郎さん自ら、浪曲に無くてはならない「掛け声」の指導から。

 

たとえば浪曲を演じている際にお客様からの掛け声をいただくきっかけの合図として、扇子を右手に挙げた時は

観客は「たっぷり!」と声を掛け、

 

扇子を左肩側に掲げた時は

「名調子!」

 

そして、両手を大きく広げた時には

「日本一~っ‼」と大きな声で応えることがお約束、なのだとか。ワタシ自身、落語は子供の頃から聴いて育っていますが、浪曲は10年くらい前に関戸さんや洞門保存をとおして一太郎さんと知り合ってから。落語においては、掛け声や合いの手をかけることはほとんど無く、あらためて、浪曲楽しい…。

 

この日の演目は 忠臣蔵「大高源吾 腹切魚の別れ」と「俵星玄蕃」の二席。そして終演後のお礼の挨拶の折、席亭の関戸さん、一太郎さん夫妻が見せてくれた満足そうな笑顔とともに、お店のドア越しにうかがえる秋深き鎌倉街道の蒼い夕闇がとても印象的でした。

 

一太郎さんがFacebookにて、侘助での濃密な時間や演目についての解説等をアップしてくれています。

 
浪曲会が跳ね、軽い打ち上げ間際の店内。
 
「侘助」は、浪曲という古典芸能にはまさにうってつけ?ともいえる歴史と伝統、そして煙草のヤニがこってりしみ込んだなんとも味わい深いスポットです。
 
一太郎さん夫妻との打ち上げ後、そっと押し開いた趣あるドアのガラスに記されている店名も、心なしかいつもよりも輝いて見えました。
浪曲会 映り込みたる我が身を前に 慌てふためく老極かい…?