日本時間2月10日に幕開けた2020年度のアカデミー賞授賞式のレッドカーペットの作品賞監督賞等を注目の韓国映画『パラサイト 半地下の家族』が受賞しました。韓国映画史上初めてオスカーで、尚且つ外国語映画としても史上初めての栄誉です。アカデミー賞のノミネーションと受賞に投票ができるのは、米映画芸術科学アカデミーの会員だけで、投票する会員の84%が白人のため、白人主導の作品が優位でした。そんな中で、アジア人スタッフが制作した作品が選ばれたことは、アメリカの新しい潮流を感じさせます。いや、アメリカンデモクラシーといえるのかな…、素晴らしい快挙ですーネ。映画の配給会社と影の権勢のご意見に左右される日本とは大違いです。確かにたしかに、社会の底辺にいるような一家を描いた是枝裕和監督の『万引き家族』も「パラサイト」と同じような内容だったのですが、物価の高い日本経済では万引きでは満足に生活できないだろうよ…。豊かな日本社会の中の特別な家族と一家という設定だったから、特別な家族の貧富の差だったからーネ。だから、「パラサイト」のように経済格差を正面からシリアルに演出してなかったからかな…!!!
今回の映画ブログは、アカデミー賞にノミネーションされている作品3作『ジョジョ・ラビット』『ナイブズ・アウト/名探偵と刃の館の秘密』『1917 命をかけた伝令』を観賞しました。その中でも『1917 命をかけた伝令』が最も見応えがありました。戦争映画か・・・と半ば退屈を覚悟していたが、以外と迫力のある作品でした。
昨今、世界の注目するニュースは、中国・武漢を発生源とした«新コロナウィルス»の世界的な感染と広がりでしょうーネ。私としては、伝染病の映画でもコメントしたい気分です。古くはアフリカ奥地で発生した未知の伝染病«エボラウイルス»がアメリカに接近してするという映画『アウトブレイク』などもありました。S・キングの『ザ・スタンド』も良かったなー。中国とアメリカで「コロナウィルス」と「インフルエンザ」が蔓延した感染症を、バイオオテロかバイオ戦争のように描いた映画がないのかな…、と期待したいですー。本当に人類の半分がうウィルス戦争で全滅になりそうな現実の恐怖が映画にはありますーネ。
第2次世界大戦下のドイツの架空の町に住む10歳のジョジョ(ローマン・グリフィン・デイヴィス)は、ナチスの青少年集団「ヒトラーユーゲント」に入団する。立派で勇敢な兵士になるために戦闘訓練に参加するが、教官の命令通りウサギを殺せなかったジョジョは、教官から臆病者だとバカにされ、〈ジョジョ・ラビット〉という不名誉なあだ名さえつけられる…。この映画は«ナチスとホロコースト»の作品なのですが、ユダヤ人の残虐なシーンも、ドイツ軍の激しい戦闘シーンもありません。1本目の、『ジョジョ・ラビット』(2019年公開、監督)がこれまでの«ナチスとホロコースト»と違う点は、ヒトラーが父親のように現れ、兎を殺せないジョジョに「ウサギは勇敢でずる賢く強い」と激励する空想の中にヒトラーが登場し、幼いドイツの戦争末期のナチズムをコミカルに描いている点だろうーネ。
この作品で私がすぐに思い浮かべたのが、1945年に地下防空壕で自殺したと言われているアドルフ・ヒトラーが記憶を失った姿で現代のベルリンの街の空き地に突然生き返え目を覚まし、ヒトラーに惨い目にあったユダヤ人の前に現れる『帰ってきたヒトラー』(2015年公開、ティムール・ヴェルメシュ原作の風刺小説、ダーヴィト・ヴネント監督)ですかーネ。ホロコースト映画が、アウシュヴッツ収容所の虐殺を描き、それを指導したナチスの軍人や高官を告発するテーマから視点が移動して、ナチズムをコミカルに風刺する作品傾向に重心移動したーナ、と感じます。何故なのかな…???1945年の戦争を記憶するユダヤ人とドイツ人の生き残りが少なくなった、最早ナチスの残虐行為を告発する憎悪と凄惨な記憶が薄れてきた…と言えるのだろう。ともかく通り一遍のナチズムとホロコーストの映画ではないですーネ。そう言えば、S・キングの作品『ゴールデンボーイ』もナチズムのちょっと変わったサスペンス風の映画だったな。少年の複雑な異常心理とダブって、新しいナチズム作品でした。
85歳の誕生日を迎えた世界的ミステリー作家のハーラン・スロンビー(クリストファー・プラマー)が、その翌日に邸宅の寝室で遺体で見つかる殺人事件が起きる。犯人は誰か…???老作家を看護していたブラジル移民の看護婦か、財産を廻る親族か…???2本目は、名探偵のブノワ・ブラン(ダニエル・クレイグ)は、誰からの依頼が判らない要請で事件に関与して、刑事と一緒に屋敷に出向き、殺人と犯人の謎を解く探偵映画『ナイブズ・アウト/名探偵と刃の館の秘密』(2019年公開、ライアン・ジョンソン監督&脚本)でした。。ニューヨーク郊外の大邸宅で起きた殺人事件と言う極めて平凡で、今までたくさんの名画と名優が登場している、いわばかなり手あかのついたストーリーですが、どうしてアカデミー候補に挙げられるほどの秀作なのか…、どんな魅力があるのか…、半信半疑で映画館に足を運びました。老作家の家族たちが、遺産を狙ってだまし合う殺人事件だが、犯人捜しの私立探偵のブノワ・ブランの謎解きが鮮やかでした。ただ、それ以上の醍醐味と魅力はなかったです。
日本のTVドラマでも、勿論アメリカの映画でも、遺言を廻って財産を狙う殺人事件はいろいろありましたーネ。アガサクリスティーの探偵小説になかったかな…。この映画では、世話と介護に貢献してくれた邸内の看護婦に全財産を残した家族の一人が仕掛けたいろいろなトリックを暴いていく探偵の謎ときがミソなのでしょうーネ。私は、ざらにあるトリックなので先が見えてあまり魅力を覚えませんでした。こりゃー作品賞と監督賞を逃すな…と感じました。脚本賞にもノミネートされている作品で、全世界累計興行収入が2億9,455万4,776ドル(約324億円)と大ヒットを記録を続けているようなので、続編の声も聞かれているそうですが、でもーネ、アメリカ人かどうして魅了されるのか、分かりません。
1917年4月のフランス。ドイツ軍と連合国軍が西部戦線で対峙(たいじ)する中、イギリス軍兵士のスコフィールド(ジョージ・マッケイ)とブレイク(ディーン=チャールズ・チャップマン)に、ドイツ軍を追撃しているマッケンジー大佐(ベネディクト・カンバーバッチ)の部隊に作戦の中止を知らせる命令が下される。3本目は、前線に向かって懸命に走るスコフィールドの伝令を描いた戦争映画『』(2019年公開、サム・メンデス 監督)でした。この映画に対して、ワンカット映像での撮影とよく言われていますが、この意味は、映像の最初から最後まで編集によるカット割りを行わず、ノンストップでカメラを回して一気に撮影する技法のようです。確かに兵士スコフィールドが対岸から銃撃されながら河を渡る場面や燃え盛る建物の中を逃げ回る映像などは迫力がありました。ただーネ、戦争映画独特の緊迫感を醸す撮影手法だけで、私は特徴のない作品だと感じました。
戦争映画も過去に名作がたくさんありますーネ、今更ながら第一次大戦最中のドイツ軍前線へ向かって命がけの伝令者を描く意義があるのかな・・・と、私なんかは二番煎じのように考えました。そうーネ、私が認める戦争映画は、第二次世界大戦中のイタリアで実際に起きた虐殺事件を基に、黒人だけで組織された「バッファロー・ソルジャー」部隊を描いた『セントアンナの奇跡』 (2008年、スパイク・リー監督)が面白かったです。
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ジョジョ・ラビット (2019)JOJO RABBIT 監督 タイカ・ワイティティ