「ミケランジェロの暗号」★映画のMIKATA【39】ムルン監督★映画をMITAKA… | 流石埜魚水の【特選映画】、★映画のMIKATA★映画をMITAKA・・・

流石埜魚水の【特選映画】、★映画のMIKATA★映画をMITAKA・・・

都市生活者の心と言葉を掌にのせた小説、電脳化社会の記号とイルージョンを巡る映画、都市の孕むシンボルと深層を探るエッセイ、街の風景と季節の色を彩る短歌…。小説と映像とエッセイと短歌をブログに・・・掲載します。

◆映画情報
上映時間・106分/製作国・オーストリア/劇場公開・クロックワークス/初公開・2011年9月10日/
オフィシャル・サイト
http://code-m.jp/
◆スタッフ
監督: ヴォルフガング・ムルンベルガー/製作: ヨゼフ・アイヒホルツァー/脚本: ポール・ヘンゲ/脚色: ヴォルフガング・ムルンベルガー/撮影: ペーター・フォン・ハラー/音楽: マシアス・ウェバー/
◆キャスト
モーリッツ・ブライブトロイ=ヴィクトル・カウフマン/ゲオルク・フリードリヒ=ルディ・スメカル/ウーズラ・シュトラウス=レナ/マルト・ケラー=ハンナ・カウフマン/
ウーヴェ・ボーム=ヴィドリチェク親衛隊大佐/ウド・ザメル=ヤーコプ・カウフマン/ライナー・ボック=ラウター親衛隊大尉/メラーブ・ニニッゼ=モーリッツ・ハイデン/
カール・フィッシャー=マイヤー親衛隊中佐/クリストフ・ルーザー=ウェーバー親衛隊軍曹/セルゲ・ファルク=ノルドナー親衛隊大佐/


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10月の上期に今まで見た映画をアップロードします。映画館で観賞した映画は全部で3本でした。


1本目の映画は、「スリーディス」(ポール・ハギス 監督)。2本目は「ミケランジェロの暗号」( ヴォルフガング・ムルンベルガー監督)。3本目は、「ファイナル・デッドブリッジ」(スティーヴン・クエイル監督)。


1本目の映画「スリーディス」は、ある日突然、愛する妻ララ(エリザベス・バンクス)と幸せに生活していた平和な家族が崩壊する。妻が身に覚えのない殺人罪で逮捕され、裁判でも有罪となる。冤罪を訴えたがどうにもならないー。獄中で希望を失った妻はとうとう自暴自棄になり自殺を図る。大学教授のジョンは、持てる財産を全て売リ尽くし金に変え、全知全能を注いで命懸けの脱獄計画に挑む。高速道路を車で疾走ー、混雑する空港から飛行機で逃げるー、警察の追及をかわし、アメリカの警察が手を出せない国外へ逃亡する。


インテリの大学教師が、偽造パスポートをならず者から手に入れたり、収監されている妻の面会のときに、刑務所の合鍵を試したり、脱獄のために刑務所に出入りする医療検査車両の鍵を偽造したり、警察の検問をすり抜けるために綿密な逃亡ルートを計画したりする。手に汗握る脱獄シーン逃走シーンの凄い連続でした。反面、ズブの素人にそんな脱獄計画の実行が出来るのかなーという疑問も沸きました。アメリカ警察もそんなに甘く杜撰でもないでしょう…。いかにもフィクションの面白さと映画ならではのサスペンス仕立ての逃亡ドラマです。他の刑務所に移送されるまでの猶予が三日間が、逃亡計画の実行期限ー。


邦画でも「板尾創路の脱獄王」(2008年公開。板尾創路監督)がありました。拘置所を何度も脱走した囚人の鈴木雅之(板尾創路)を主人公に。、脱獄・逃亡・追跡・逮捕の失敗のくり返しですが、脱獄への凄まじい執念、自由への飽くなき挑戦に見応えがありました。「スリーディス」と比較したとき、もう一方が、警察の裏の裏をかいくぐるまるで知的な「脱獄ゲーム」のようでしたが、同じ脱獄ドラマでも、これもまたいかにも邦画的で面白かったです。


ララの殺人罪の担当刑事が現場をもう一度捜査したときに、彼女の供述通りにオーバーのちぎれたボタンが排水溝にあったにもかかわらず見逃したシーンは、アメリカ連続ドララマ、科学捜査のプロたちを描いた「CSI」のファンの一人である私は、ありえないミスだな、と思いました。アメリカの犯罪捜査ってあんなにイージーではないでしょう…。


2本目の「ミケランジェロの暗号」は、第80回アカデミー賞外国語映画賞を受賞した『ヒトラーの贋札』(2008年1月公開。ステファン・ルツォヴィツキー 監督)のプロデューサーとスタッフが、脚本家・ポール・ヘンゲの実体験の原作(『僕を愛した二つの国/ヨーロッパ・ヨーロッパ』)を映画化した作品です。収容所の残酷さと悲惨さを描くだけでなく、そこに幻のミケランジェロの絵画の行方の謎を挿入することで、サスペンス性を加味させ、面白が増幅しています。また≪ナチズム≫の映画に名作が1本加わったなー、と思いました。


ストーリは…。第二次大戦下のウィーンで、ナチズムが政権を掌握した時代を背景に、ユダヤの圧政が始まり、裕福なユダヤ人美術商の一家が収容所に送られる。ところが、この画商はミケランジェロの一枚のデッサン画を秘蔵していた。この幻の素描画を巡って、絵画を政争の取引道具にしようとヒットラーやヒムラー、イタリアのムッソリーニが登場する。主人公の画商の息子・ヴィクトールは、ナチの親衛隊を相手に、ミケランジェロの絵を収容所の母をスイスに逃亡させる駆け引きにする…。


収容所で亡くなった父は、「私の肖像画を…」という謎のメッセージを息子に残していた。偽物tがあふれるミケランジェロの絵画だが、本物は何処にあるのかが、この「ミケランジェロの暗号」というテーマの由来でした。


3本目の、「ファイナル・デッドブリッジ」は、 巨大つり橋の崩落事故を予知したサム(ニコラス・ダゴスト)は、彼の警告によって8人の親しい同僚が難から逃れる。しかし、彼らは葬儀で会った謎の男から「死神は決してだまされない」と宣告され、死の恐怖に取り付かれる。生き残った友人たちは次々に不慮の事故によって不自然な死にかたをする。私は「ファイナル・デッドブリッジ」を見ながら、以前見た映画にどこか似ているなと気になりました。ロドリゴ・ガルシア 監督 の「パッセンジャーズ 」(2008年公開)の二番煎じの映画ではなかろうかと思います。こちらの作品は、飛行機事故で奇跡的に生還した5人の乗客が次ぎ次に謎の死をとげる、やはり心理サスペンスストーリでした。


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