★映画のMIKATA【39】オリヴィエ・メガトン監督「トランスポータ3」★映画をMITAKA… | 流石埜魚水の【特選映画】、★映画のMIKATA★映画をMITAKA・・・

流石埜魚水の【特選映画】、★映画のMIKATA★映画をMITAKA・・・

都市生活者の心と言葉を掌にのせた小説、電脳化社会の記号とイルージョンを巡る映画、都市の孕むシンボルと深層を探るエッセイ、街の風景と季節の色を彩る短歌…。小説と映像とエッセイと短歌をブログに・・・掲載します。

スタッフ

原題:Transporter 3/監督:オリビエ・メガトン/製作:リュック・ベッソン、スティーブン・チャスマン/脚本:リュック・ベッソン、ロバート・マーク・ケイメン/撮影:ジョバンニ・フィオール・コルテラッチ/美術:パトリック・デュラン/編集:カミーユ・デラマール、カルロ・リッツォ/音楽:アレクサンドル・アザリア/衣装デザイン: オリヴィエ・ベリオ /アクション:コーリー・ユン

製作国:2008年フランス/上映時間:1時間43分/配給:アスミック・エース/


◆オフィシャルサイトhttp://tp3.asmik-ace.co.jp/


キャスト

ジェイソン・ステイサム フランク・マーティン /ナタリア・ルダコーワ ヴァレンティーナ /フランソワ・ベルレアン タルコニ/ロバート・ネッパー ジョンソン /ジェローン・クラッベ/アレックス・コボルド/ヤン・サンベール /エリック・エブアニー /デヴィッド・カンメノ/シルヴィオ・シマック /デヴィッド・アトラッキ /セーム・シュルト/


流石埜魚水の阿呆船、★映画のMIKATA★映画をMITAKA・・・


ハリウッド映画独特の製作手法かのかもしれませんが、「トランスポータ」シリーズの第一作、第二作はルイ・レテリエ監督ですが、第三作目の「トランスポータ3アンリミテッド」では、オリビエ・メガトン監督。ただ一貫して、リュック・ベッソンが製作&脚本を務めているようです。監督と製作者は、どんな関係なのだろうか…? 邦画とは、映画の製作方法と役割分担が違うのかもしれません…。

特殊部隊で特殊任務に就き、勲章をいくつも授与された元軍人という設定。いつも糊のついたパリーとした真っ白いワイシャツを着て、ハンドルを握るときはいつもクールな面持ちの紳士。一転すると運び屋に変身する。


彼はトランスポーターとして絶対的なルールを自分に課しています。ただ、そのルールを破らざる終えない事件と、依頼者が彼を待っている。


1.契約厳守ー、2.名前は聞かないー、3.依頼品は開けないー。契約の変更はしないので、銀行強盗を乗せたまま、襲った銀行の前で、契約よりも一人多いと、契約違反をごねるて静観する。


運搬手段は、特殊装備の、特殊仕様の、特殊機能の就いた愛車のBMWや、敵を追い掛けて疾走するアウディ…。後部のトランクには、いつも厄介な荷物を放り投げて運ぶ。ストイックでクールな一面、笑顔の愛嬌を見せるときにルールは破られ、厄介なトラブルに巻き込まれる。フランクのほんのりとした温かいい一面が炸裂する。


フランクは、南フランスの美しい海辺の町に暮らす年金生活者。彼の物静かな姿に隠されている、もう一つの顔は、鍛え抜かれた筋肉と、鍛錬された格闘技を身につけるトランスポーター。


凄腕の「運び屋」フランク・マーティン(ジェイスン・ステイサム)が主人公。この人物設定や、ストーリの状況設定は、リュック・ベッソンの好みが、かなり表現されていそうです。


「トランスポーター1」では車のトランクの中のブツが呻いてもぞもぞ動くので中を見てしまう。トランクに入れられていた荷物は、中国マフィアのボスの若い娘。ルールを破ってしまったツケなのか、車を爆破され、家をミサイルで粉々に攻撃される。


「トランスポーター2」ではマイアミで、政府筋の要職に就く、裕福なビリングス家の6歳の一人息子、ジャック(ハンター・クラリー)の送り迎えのお抱え運転手になる。やばい運び屋から足を洗って、安穏な日を過ごしていたのだがー。ある日、ジャックの健診のために訪れた病院で、何者かに襲われる…。


そして「「トランスポータ3アンリミテッド」では、自宅でTVを観ながら寛いでいる最中に、一台の車が、部屋の静けさを破るように突如、部屋に突っ込んでくる。運転手は同業の知人のマルコムであった。ある組織のやばい依頼を断り、マルコムを紹介したことを彼は思い浮かぶ。


車にはもう一人、赤毛でそばかすだらけの女、ヴァレンティーナ(ナターシャ・ルドコワ)が乗っていた。


彼女は、元々は美容師をやっていたのですが、リュック・ベッソンが街でナンパした役者。ベッソン好みのロシア美女で、顔中のソバカスが印象的。


「トランスポーター」シリーズを通して、必ずいわくありげな女が絡んでくる。荷物のバッグの中に居たアジア女性、6歳の息子ジャックを襲う殺し屋の女、不倫寸前であったビリングス家の美人妻、今度は、ソバカスだらけのフウテン娘…。゛この状況設定もリュック・ベッソン好みの、巧妙なストーリ展開です。


続いて、マルコムを乗せた急車が、走り去ろうとするときにまた木っ端微塵に爆破炎上する。二連発の大爆発、大音響で度肝を抜かれます。ハードボイルドな拳銃の連射と、大爆発…。動き、狙い、作戦を練り、俊敏に走る。日常を破る動と、いつものノンビリとした市民生活の静が折り重なる、動と静のメリハリがまた、映画を面白くしています。海に小船を浮かべてステイサムにいつも絡んでくるフランソワ・ベルレアン警部と共に長閑に釣を楽しむフランクから一転して、突然に、美味い魚の食べかすの骨が残る居間のテーブルに事件が飛び込んでくる…。


彼女を助けようとするフランクだったが、逆に何者かに殴られ気を失ってしまう。そして気が付くと、彼の腕にも液体爆弾入りのブレスレットがはめられていた。車に同乗していた謎の女、ヴァレンティーナによれば、車から20メートル離れると爆破するという。絶体絶命のピンチ…。


そして、一度は断った依頼を引き受けるはめになる。凶悪な依頼主、ションソンから依頼される「赤い代物」の運搬は、謎の赤毛の女を助手席に乗せてヨーロッパの国境を越えて走る危険なものだった。


フランクは、ブレスレットをはめて、ヴァレンティーナとともにドイツを目指す。


このフランクへの依頼の裏には、ウクライナの有毒廃棄物を扱う国際廃棄物管理会社が絡む陰謀が隠されていました。フランスの環境大臣を脅迫するために、大臣の娘が人質にされていた。彼が運ぶ赤毛の娘は、実は、大臣の放蕩無頼な愛娘でした。


「トランスポーター」シリーズの見どころは、服を脱ぎ捨てて闘うストリップ・ファイトなる格闘アクションです。そのときに、ワイシャツやネクタイやスーツや下着が、一枚一枚脱ぎ捨てられ、奇妙で巧妙な武器として、随所で使われる。そして、裸になったフランクの筋肉美が、最後に披露されます…。


バタバタと敵をノックアウトするストーリーアクション…。フランクのキレ味抜群の格闘シーンは、シリーズを通してコーリー・ユン( Corey Yuen) がアクション監督を担当しております。


コーリー・ユンは、中国戯劇学院でジャッキー・チェンたちと共に、<七小福>のメンバーの一人として活躍。1971年に『ドラゴン怒りの鉄拳』のスタントマンとして出演。その後、数多くのアクション作品で、さまざまな映画に関っています。1982年に『龍の忍者』、1997年には『リーサル・ウエポン』でハリウッドに進出、2002年に『トランスポーター』でアクション監督としてデビューしています。


その他にも、コーリー・ユンがアクション監督や演技指導している作品は、夥しいです。最近作では『レッドクリフ』を初め、「ローグ アサシン」「 デッド・オア・アライブ」「クローサー」「ラスト・ブラッド」等々があります。恐らく、香港からハリウッドに上陸した一番華やかで高価な輸出品ではないだろうか…。


「トランスポーター」では、移民を乗せた輸送コンテナを追跡して、床にまかれたベトベトのオイルの海の中で、敵を蹴って殴って払って倒す格闘シーンは、今も記憶に鮮明に残っています。


「トランスポーター2」では、敵に囲まれたフランクが消防の長い消化ホースを使って、引張り、絡め、巻いて、鞭打つ、縛って絞める…。華麗で見事な格闘シーがありました。


「トランスポーター3」では、K-1ファイターとして有名なセーム・シュルト扮する巨漢のザ・ジャイアントとの格闘シーンが迫力があり見ものです。

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シリーズを通して、もう一つの「トランスポーター3」の見どころは、格闘アクションに次いで、カーチェイスではないて゛しょうか。「トランスポーター3」では、トレーラー二台の間を片輪だけで走行させるというアクロバットに近いカーアクションを見せていました。


格闘アクション、カーチェイスばかりでなくて、自転車を使った車追跡のシーンや、水中に車ごとダイブして脱出するシーンなども、フランクの男臭い過激なアクションを楽しませてくれました。

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