「退出ゲーム」 初野晴 2009-035 | 流石奇屋~書評の間

「退出ゲーム」 初野晴 2009-035

初野晴氏「退出ゲーム」読了しました。

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退出ゲーム/初野 晴
¥1,575
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出版元
角川書店
初版刊行年月
2008/10
著者/編者
初野晴
総評
21点/30点満点中
採点の詳細
ストーリ性:3点 
読了感:3点 
ぐいぐい:4点 
キャラ立ち:3点 
意外性:4点 
装丁:4点

あらすじ
穂村チカ、高校一年生、廃部寸前の弱小吹奏楽部のフルート奏者。上条ハルタ、チカの幼なじみで同じく吹奏楽部のホルン奏者、完璧な外見と明晰な頭脳の持ち主。音楽教師・草壁信二郎先生の指導のもと、廃部の危機を回避すべく日々練習に励むチカとハルタだったが、変わり者の先輩や同級生のせいで、校内の難事件に次々と遭遇するはめに―。化学部から盗まれた劇薬の行方を追う「結晶泥棒」、六面全部が白いルービックキューブの謎に迫る「クロスキューブ」、演劇部と吹奏学部の即興劇対決「退出ゲーム」など、高校生ならではの謎と解決が冴える、爽やかな青春ミステリの決定版。<<Amazonより抜粋>>


あらすじのとおりのシチュエーションで繰り広げられる連作短編集です。
個人的な初野氏の印象は「漆黒の王子 」な感じなのですが、まったく違いました。

あのくろーい感じが欲しかったのですけど、読み始めて、まったく違うことに気がつきました。

まさしく「青春ミステリ」なわけです。決定版がどうかは別として。
ということで、想定外ということですね。

物語は、主人公格のチカとハルタを中心に、物語が1話ずつ進むにつれ、その周辺の登場人物が徐々に主人公格になっていくという流れです。

仲間を増やすRPGのような感じ。

ま、実際の学生生活ってのもこういうもんだったけかなと思ったりしました。

また、興味深かったのは、一貫したテーマは、舞台は「青春」であり、基本は「謎解き」だけども、裏テーマとして「人間模様」が差し込まれている点。

その点については良かったと思います。
個人的にはタイトル作である「退出ゲーム」が気に入りました。
単に「青春もの」ではない何かを感じました。