「ブラフマンの埋葬」 小川洋子 2008-095
小川洋子氏「ブラフマンの埋葬」読了しました。
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出版元 |
講談社 |
初版刊行年月 |
2004/04 |
著者/編者 |
小川洋子 |
総評 |
20点/30点満点中 |
採点の詳細 |
ストーリ性:3点 読了感:3点 ぐいぐい:4点 キャラ立ち:4点 意外性:3点 装丁:3点 |
あらすじ |
夏のはじめのある日、ブラフマンが僕の元にやってきた。あたたかくて、せつなくて、いとおしい。こころの奥に届く忘れられない物語。<<Amazonより抜粋>> |
タイトルの「ブラフマン」とは、僕が助けた「動物」であり、以降「僕のペット」になります。
物語は、その「ブラフマン」と「僕」が過ごした時間を、描いています。
淡々と上記の物語が進む中で、「僕」と「娘」の関係というものも見え隠れします。
この手の「淡々と進む物語」の穿った見方として、一見、副次的に見えるものが実は主テーマになるというものがありますが、この物語に関しては、読み手次第かなと思いました。
少なくとも私は、そう疑っては見たものの、やっぱり「ブラフマン」と「僕」が過ごした時間がテーマなのだと思いました。
そして、その中で浮き彫りになってくるのが、「孤独」だったりします。
タイトルにあるのでネタバレも何もありませんが、ラストの「ブラフマン」の行く末は、「孤独」そのものだったりして、その点は感慨深いものがありました。
孤独同士のものが孤独を共有しあう世界の物語なのだと思いました。
ところで、やっぱり「ブラフマン」って何なのでしょうね?