優子は普段通りに戻ってからも
なかなか学校には行かなかった…
(優子)いってらっしゃい
(なみくん)ゆ…優子
友慎も学校来てないし
優子までそんなこと…
(優)いいの
あたしは…いいから
…
(ゆいはん)優子さん…
(さっしー)
(優)あっもうこんな時間だよ
急いで
(な)う…うん
じゃあ…
優子を一人だけ置いて行くことは
なみくんも心配だった…
(な)どうしたらいいんだろ…
一方…
(友慎)はぁ…
(茉夏)……
友慎は
ずっと家に引きこもったまま
茉夏とほとんど言葉も交わさずにいた
(友)あ…あのさぁ…
(茉)……茉夏で
(友)えっ
(茉)…茉夏って呼んでください
(友)ま…茉夏…
(茉)はい
(友)その…
茉夏はいいの
(茉)何が…ですか
(友)俺なんかと無理に…
(茉)違いますよ
…そうするしかなかったんです
(友)……
(茉)栄組にはいたくなかったので
…両親を殺したような組織には
(友)殺された
(茉)…私が栄組に入ってすぐ
…私のことを心配して来てくれた両親を
目の前で殺しました
(友)そんな…
(茉)そういう人間です
…秦佐和子という人は
(友)……
(茉)私はそれから
栄組をずっと…ずっと恨んできました
今も…
(友)……
恨んでるのに
今も連絡をとってるんだね
(茉)えっ
(友)知ってるよ
俺のことを毎日知らせているんだよね
(茉)気づいていたんですか
(友)うん
(茉)…ごめんなさい
でも連絡を止めたら…
今度は私が殺されます
(友)……いいよ
俺は何もするつもりないから
(茉)…
(友)…
それからもまた静かな時間が続いた…
ところが
ﾄﾞﾝﾄﾞﾝﾄﾞﾝﾄﾞﾝ
ｶﾞﾁｬ
(友)な…何
(ゆ)友慎くん
(友)えっ
友慎がドアを開けると
さっしーとゆいはんが立っていた
(さ)元気みたいだね
よかったぁ
(友)何しに来たの
(ゆ)友慎くんに戻ってきてほしくて
なみくんと一緒に来たんやけど…
(友)えっ
なみくんたちは
友慎に戻ってきてもらうために会いにきた
優子の元気を取り戻すためには
それしかないと思ったからだった…
(な)友慎と何やってんだよ
(茉)えっ…えっと
(な)どうして優子から友慎を奪ったんだよ
(茉)そんな…つもり…
(友)やめろ
茉夏は何もしてないんだ
(茉)と…友慎くん
(な)なんで
優子は…
優子は待ってるんだよ
ずっと…待ってるのに…
こんな女と…
(友)茉夏は他に居場所がないんだ
それに俺と一緒にいなきゃ茉夏は殺される…
(な)殺される
(ゆ)今まで何があったん
(友)…
(さ)全部…話して
…
それから
友慎は今までのことをすべて話した
栄組のこと…
茉夏のこと…
そして優子のことも…
(な)じゃあ優子は
(友)うん…
でも俺は優子と会ったら殺される…
俺は何もできないんだよ…
会いたいのに……俺は…
(ゆ)友慎くんは今でも優子さんのこと…
(友)大好き…
愛してる
(な)友慎…
(友)俺は今は何もできないけど
優子のこと…ずっと愛してるから
(さ)うん
ちゃんと伝えるね
(友)ありがとう…さっしー…
ギュッ
(さ)えっ
(友)…あれ
さっしー…なんだか…
(さ)
(な)何してんだよ
さっしーは俺が…
ギュゥ
(さ)あっ…
(ゆ)何してるん
(な)えっ…あっごめん
と…とにかく
優子は俺が守るから
絶対守ってみせるから
(友)約束だからな
(な)うん
(ゆ)友慎くんも
優子さんのこと…愛していてね
(さ)会えなくても
心はつながってるから
(友)うん
友慎と約束をして
なみくんたちは安心して帰った
(茉)…
(友)今日のこと
知らせてもいいよ
(茉)…何もなかったことにします
(友)えっ
(茉)…
(友)ありがとう
(茉)
…続く
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