……
(なみくん)……あれ
なみくんが目を開けると
そこは見覚えのある世界が広がっていた
大きな川の音が聞こえたので
なみくんは確信を持った
(な)また来ちゃったのか…
(敦子)なみくん

ひさしぶりだね~

(な)あっちゃん…
(敦)また何かあったの

(な)…うん
ちょっとね

(敦)しかも今回は1回死んじゃったからね
(な)…えっ

そうなの


(敦)そうだよ
(な)えっなんで前みたいに…
(敦)前はなみくん自身が死にたくないって帰ってきたんだよ
(な)そう…だっけ…
じゃあ…今はなんで

(敦)この子が連れて帰ってきたの

(な)この子

あっちゃんの後ろで何かが見え隠れしていた
(な)うん

(?)キャッ

見ないで…
(な)キミは…誰

(敦)トナカイさんだよ
(な)トナカイ


(里英)トナカイじゃないです
ちゃんと里英って名前あります

(な)りえちゃん

(里)えっ…はい
(な)なんでそんな格好してるの

里英はかわいいトナカイの着ぐるみを着ていた
(里)実は…
私…クリスマスのアルバイトしてたんです…
ほんの5日前まで…
(な)…そのアルバイトでその格好を

(里)はい…
でもアルバイトでビラ配ってる時に…
(な)…

(里)車に…はねられちゃったんです

(な)えっ

(里)それでここに来たんです…
だけど…まだ死にたくない
…でも戻ってもどうせ幸せじゃない…
(な)迷ってたんだ
(里)はい…
そしたら…
(敦)私が拾ってあげったの~

(な)拾ったって…
何それ

(敦)ちょうどサンタさんからお仕事頼まれてたし…
(な)はぁ

(敦)なんだか今年はサンタさんが忙しいみたいなの
だから少しでもいいから
プレゼント配り手伝ってほしいんだって

(な)えっ…ちょ…ちょっと待って

サンタと知り合いなの

(敦)そうだよ
去年も
ちょっとだけ配り終わらなかったプレゼントを
最後だけ手伝ってあげたんだ~

(な)…えっ
あっ…あと…もしかしてりえちゃんを…
(敦)そうだよ
トナカイとして手伝ってもらうの

(な)えっ…えぇーーーー

(敦)どうしたの

(な)どうしたのじゃないよ
りえちゃんは人間だよ

そんなの…
(里)いいんです…
どうせこんなことしかできないし…

(敦)ほらね
それに…
ちゃんとお金もあげるから

(里)マジっすか

(な)えっ

(里)やります
やります
全力でやらせていただきます

(敦)ありがと~

(な)か…金で釣られた

するとあっちゃんは手をたたいた
その瞬間

(敦)じゃーん

(な)あっちゃん…

(敦)なぁに

(な)サンタ…ですか

(敦)そうだよ~
じゃあ行くよ~
あっちゃんはなみくんの手を引っ張って
ソリの上に連れて行った
(な)えっ俺も

(敦)えっ…じゃなくて
なみくんを届けるんだよ~

(な)…俺

(敦)ほらほら行くよ~

レッツゴー

(里)レッツゴー

(な)…ご…ゴー

なみくんとたくさんのプレゼントを乗せたソリは
里英が少し引っ張っただけでグングン進んでいった
…続く
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