
今日は月1回のグッド・デイ・ブックスの読書会。図書はバーナード・ルイス(Bernard Lewis)の表題の著作。01年9月のイスラム原意主義者によるアメリカ世界同時テロ直後にニューヨーカーに掲載されたエッセーを加筆修正されたもの。
あれから8年経っても内容は決して古くはない。現代のイスラム社会と西欧社会が抱える問題を理解する上で必要十分な歴史的出来事が扱われている。列記されている事実、歴史的背景、宗教的対立の基礎的理解はこの本を読むと分かり易い。一つの神を抱きながら三つの宗教であるユダヤ教、キリスト教、イスラム教はなぜ争うのか。民主的に選出されたハマスがかえってガザにおける闘争を継続しイスラエルと闘争するのか。パレスティナ問題はどう扱われるべきか。日本人には遠くて、肌感覚として理解し難い問題がそこには横たわっている。
手っ取り早く、イスラム社会問題を理解しようと思うならお薦めである。頁数も160あまり、短く、英文も簡明である。
ディスカッションでの話題は、イスラム教徒の理想世界は中世時代であり、それ故にあと500年経たないと西欧社会との友好的融和が成り立たないのではないだろうか、というものだった。そうすると私達が生きている間にはパレスティナ問題は解決しないのだろうか。