
Good Day Books の月1回の著者を招いての講演があった。今回は、ジェームス L.ハフマン氏の「A
YANKEE IN MEIJI JAPAN the crusading journalist
edward h. house」を取り上げた。
ニューヨークから維新後の東京に特派員として来日。下関戦争の賠償金の返還交渉、ペルー船マリア・ルーズ号の中国人奴隷の解放擁護、台湾出兵の際の従軍、日清戦争の報道等々、明治日本の広報ともいえる活躍をした。そんな存在を今では知る人も少ない。
幼少の頃から弱きを助ける気質。不正を嫌う正義感がE.H.ハウスを突き動かし、列強に立ち向かわねばならなかった日本を彼は愛したのだろう。ラスト・サムライのジャーナリスト版とでも言えるかもしれない。
明治日本のお手本であり友好国は1902年に同盟関係を結んだ大英帝国だった。その点は「断たれたきずな : 日英外交六十年 」 F・S・G・ピゴット著に詳しい。それに対し米国は厳格な三権分立をとった大統領制のもとの連邦国家である。どうしても明治日本とは体制が違い、しかもやがては太平洋戦争で戦う。早くから富国強兵を目指す日本に対する米国の見方は冷ややかだったとばかり思っていた。この本を読んでサスは日本と米国の関係がまったく違ったものとなった。
講演の後のGood Day Booksの店主と著者とのディナー。ワインの飲みすぎで呂律のまわらない英語で話してもサスの意を汲んでくれるハフマン氏はとても優しい。日本を愛し日本の近代史に詳しい米国人の学者だった。