2017年10月13日。
 

以前のブログ「さっさんのふんばる子育て記」、
 
の時に頂いたコメントの中で、

「中治り」
 
という言葉をお聞きしました。
 
 
死の少し手前に一時的に元気を取り戻すことがあり、
 
危険な状態になったものの持ち直して、
 
数時間あるいは数日間は穏やかに過ごせて快方に向かっているのかと思いきや、
 
少し経つと嘘のように亡くなってしまう。
 
 
初めて見る言葉だったので、調べてみました。
 
この日のさやかは、
 
まさにその状態だったのかもしれません。
 
 
 
この日は朝から体調が良く、
 
さやかを連れて2時間だけの外出。
 
自宅に帰り、久しぶりに娘と息子に会えて、
 
さやかは嬉しそうでした。
 
 
この後に起こる事を考えると、
 
さやかが望む事を叶える事が出来たこの時間は、
 
家族に迷惑をかけまいと気丈に振る舞い続けてきたさやかの姿を見続けてきた、
 
神様のご褒美だったのかもしれません。
 
 
 
 
 
17時。
 
病室に到着するなり激しく嘔吐。
 
そして背中の痛みが強くなりオプソを飲みました。
 
オプソの量は使用開始当初よりも1回あたりの量を増やしており、
 
今まではこれを飲めば、数分後には必ず痛みは治まっていました。
 
 
でも今回は痛みはずっと消えず、横になり苦悶の表情が続いていました。
 
吐き気の方は、制吐剤の点滴を入れたので、一旦は落ち着いたようでした。
 
 
18時。
 
義妹が病室に来た。
 
朝の時点で、「今日はさやかの調子が良いよ」、と連絡を入れていたので、お見舞いに来る事になっていたのです。
 
調子が良いと思っていたのに、病院に来てさやかの様子がおかしい事に、義妹も戸惑っていました。
 
 
さやかが食べたそうな物を調達してくれていましたが、さやかは一口も口にする事が出来ず横になるだけ。
 
とにかく痛みが一向に治まらない。

 
2回目のオプソ。
 
1回目の服用から、間を開けられた時間は1時半だけ。
 
こんな事は今までに無かった。
 
 
20時にMSコンチン。
 
 
20時半にはまた嘔吐。
 
 
MSコンチンの効果に期待しましたが、痛みは全くひかない。
 
21時に耐えきれず、3回目のオプソ。
 
 
睡眠薬も飲みましたが、いつも悩まされる眠気が今日に限ってやって来ない。
 
睡眠薬の点滴をお願いし、
 
ようやく落ち着いた気がしました。
 
 
22時。
 
どうしても帰宅せねばならない事情があり、一旦帰宅しました。
 
 
しばらくするとさやかから電話。
 
今から来て病室に泊まって欲しい。
 
一人は嫌だとの事でした。
 
 
最期の時を迎えるまで、さやかに全てを捧げる覚悟。
 
家の長座布団を持ってすぐに駆け付けました。
 
 
今を思うと、この時に電話越しに聞いた、
 
「一緒に居てほしい」
 
この言葉が、最後のさやかとの会話だったと思います。
 
 
病院に着くと、さやかはベッドに腰をかけていました。
 
意識は朦朧としており、呼びかけに首を動かす程度の事しか出来ない。
 
 
発する言葉は「痛い」だけ。
 
 
昼間はあれだけ元気だったのになぜだ。
 
あのパワーは人の命が消え尽きる前の最後の炎だったのか。
 
もうさやかは燃え尽きるという事なのだろうか。
 
 
病院が用意してくれた簡易ベッドに横たわって、必死に考える。
 
 
とにかく今夜はさやかの側にいよう。
 
 
痛いところは撫でてあげよう。
 
反応してくれなくていいから、声をかけてあげよう。
 
 
そして悲しい運命の日。
 
 
2017年10月14日を迎えます。