2017年7月5日。
猛威を振るい始めた癌細胞の増殖に打ち勝つため、
猛威を振るい始めた癌細胞の増殖に打ち勝つため、
様々な手段を用いて治療を行い始めた目まぐるしい日々が始まっていました。
朝から高濃度ビタミンC点滴療法。
午後にはハイパーサーミア(肺)。
夕方には翌日から始まる抗がん剤治療に向けた血液検査。
その翌日。
午前中にハイパーサーミア(肝臓)を行い、
その後、抗がん剤治療を行う。
ハイパーサーミアは1回が2回に増えたはしたものの、
隔週で治療していたのでまだ良かったのですが。
でも高濃度ビタミンC点滴療法は週3回。
大きな副作用は無いとはいえ、
精神的にも体力的にはキツイところ。
一度に大量の点滴をして、
濃度の高いビタミンCを直接血管に入れた影響で、異常に乾く喉。
一回の治療で500mlのペットボトルの水を三本飲んでいたそうです。
点滴の分を含めると、1回の治療で約3リットルの水分を体内に摂取していたことになります。
喉の渇き程度で命に係わる事なんて無いと思っていたのですが。
妻の今のきわどい状態の中では、
この大量の水分摂取が、後で大きな災いとなります。
夕方になり、血液検査をするために主治医が勤めるいつもの病院に向かう。
とりあえず翌日からの抗がん剤治療の開始条件はクリア。
好中球の値も悪くない。
これは不幸中の幸いで、今まで骨髄抑制の副作用は全く出ていませんでした。
7月に入ったので。
月に一度の腫瘍マーカー検査をする事が出来る。
採血した血液を検査に出す事になりました。
結果は後日。
そして5日後。
私は一人で主治医の元に向かいました。
受診の目的は骨シンチ検査の予約を取るため。
妻の胸の苦しさの理由を明らかにしたい。
肺の苦しさが強く出てきたのは本当に肺転移の腫瘍が大きくなったからなのか。
それとも他の要因が悪さをしているのか。
不気味な正体を明かすために、
J大学病院で骨シンチの検査をしてみたい、という結論にたどり着きました。
つまり「骨転移」を疑っていたという事です。
大腸癌の手術を行ったJ大学病院は主治医が非常勤で勤めていた病院だったので、
スムーズに検査の予約を取る事が出来ました。
検査は7月25日。
腫瘍マーカーの結果はまださすがに出ていないと思い、立ち去ろうとした時。
「先日の腫瘍マーカーの結果が今朝届いています。結果をお伝えしたいのですが。」
予想に反し、既に腫瘍マーカーの結果が出ていました。
「何かの間違いなのか。異常な値を示しています。私もこんな値は見た事がありません。」
その結果は、
CEA 1236.7 CA19-9 22703.3
先月の、大きなショックを受けたあの時の結果、
CEA 1054.8 CA19-9 11000.0
よりもさらに増えている。
CA19-9に至っては2倍以上。。
目の前が真っ暗になった。
聞かなきゃ良かった。
午前中に高濃度ビタミンCを入れたから?
また腫瘍がぶっ壊れた?
そんな理由ってある?
主治医の見解として。
さすがに腫瘍がぶっ壊れた説をまた使う事はありませんでした。
「これは異常です。CTの画像を見る限りそこまで腫瘍が増殖しているとは思いません。奥様は腫瘍マーカーが例外的に高く出る体質だとし
か言いようがありません。」
腫瘍マーカーが高く出る体質。。
何だそれ。
わけわかんない。
酒が飲めない体質みたいな?
こんな値、妻にどんな面して報告すればいいんだ。
。。
いや、でも。
それだ。
それで行こう。
主治医の言う通りに言おう。
今の追い詰められた状況なら。
どんなに安っぽい言い訳でも。
妻は納得する道を選ぶはず。
腫瘍マーカー?
無視無視。
問題なくても人より高く出ちゃうんだって。
それは体質だからしょうがないんだって。
だったら参考にならないじゃん。
無視無視。
それで行く事にした。
家に帰り、妻にそれを伝えた。
家に帰り、妻にそれを伝えた。
妻は、
私が用意した納得のいかない言い訳に、
すぐに納得しました。
すぐに納得しました。
もう腫瘍マーカーの値は、
気にしないと心に決めました。
◾️腫瘍マーカー記録
2016年11月9日CEA 3438.4 CA19-9 21000
2016年12月8日CEA 2698.1 CA19-9 15000
2017年1月4日 CEA 7442.8 CA19-9 33000
2017年2月9日CEA 1528.1 CA19-9 6928.0
2017年3月9日CEA 844.0 CA19-9 4168.0
2017年4月12日 CEA 812.4 CA19-9 6810.6
2017年5月9日CEA 766.4 CA19-9 6918.8
2017年6月7日CEA 1054.8 CA19-9 11000.0
2017年7月5日CEA 1236.7 CA19-9 22703.3