2017年3月23日。
抗がん剤治療8回目の初日。

いつもは午前中に児童館で娘を遊ばせて、午後から治療を開始するのだが、来月から幼稚園が始まるので、児童館は先週で終わり。
という事で午前中から投薬が開始出来るようになった。
 
8回目ともなるとだいぶ慣れたものだが、オキサリプラチン投与中の痺れには注意が必要だった。
 
案の定、手の平のピリピリが強く出たが、ベット柵のひんやりとした鉄パイプを握っても痺れはなし。
 
この鉄パイプに触れるだけで痺れの反応があると、プラチナの蓄積が進んでいて、FOLFOXの止め時のサインになるとの事だった。
 
 
一通りの点滴を終え、5FUの持続点滴用シュアフューザーをぶら下げ、いつものように外泊届を出して帰宅。
 
 
ちなみに今まで使っていたシュアフューザーは、途中で必ず止まってしまうタイプの製品だったらしい。
 
先生もそれを見越して、少し多めに抗がん剤を入れてたようだが。。
 
ざっくり過ぎる。
 
今回は違う製品で、最後まで使い切れるタイプと言われたが今回はどうかな。
 
 
あと、午前中から抗がん剤治療を開始した点については、良いようで悪かった。
 
副作用は、初日が一番辛いらしく、治療が午前中からだと終わってから寝るまでの時間が長くなる。
 
次回は前と同じように午後から開始にしようかなって話をした。
 
ちなみに副作用は「食欲不振」「倦怠感」「しびれ」「脱毛」「鼻血」「口内炎」「色素沈着」(指が黒ずむ)がある。
 

治療3日目。
ほんの少し食欲がないものの、ほぼ普段通りの体調に戻った。
 
嫁さんの場合、初日が一番体調が悪く、2日目3日目はいったん良くなり、4日目5日目がまた悪くなる。
そして6日目からまた体調が良くなるという不思議なサイクルの持ち主だった。

 
治療の前日、ハイパーサーミアの後に主治医のY先生の所に行ってきた。

目的は、ハイパーサーミアの治療報告と抗がん剤治療の事前検査用の採血のためだったが、ここで前回の採血で検査に出した「UGT1A1検査」の結果も教えていただいた。
 
 
ここからはちょっと難しい話。
 
UGT1A1とはざっくり言うと「イリノテカンの代謝酵素」で、「UGT1A1*6」「UGT1A1*28」という2種類の遺伝子多型があるらしい。
 
イリノテカンはセカンドラインで使う予定の抗がん剤。
 
この遺伝子の活性が低下(変異)していると重篤な副作用「下痢」「好中球減少」が発生する可能性が高いようだった。
 
 
嫁さんの検査の結果は。
UGT1A1*6→変異あり(ヘテロ)
UGT1A1*28→変異なし。
 
この結果の意味するところは、「まあまあ」。
 
具体的(第一三共株式会社調べ)には、妻のように片方にヘテロの変異がある場合、グレード3以上の副作用が
 
・好中球減少は4人に1人の割合で発生する。
・下痢は14人に1人の割合で発生する。
 
なのだそうだ。 

 
両方とも「ヘテロ」もしくは、どちらかが「ホモ」の場合は最も悪く、
 
・好中球減少は5人に4人の割合で発生する。
・下痢は5人に1人の割合で発生する。
 
この場合は、イリノテカンの減薬しながらの治療にせざるを得ない。
 
 
両方とも変異がない(ワイルド)の場合は、
 
・好中球減少は7人に1人の割合で発生する。
・下痢は7人に1人の割合で発生する。
 
なので、妻の結果は「下痢の副作用が出ずらいので、QOL観点では良い結果」となる。
 
ただし、脱毛については今回の検査の対象外。
だがおそらく、脱毛が起こる可能性は極めて高いだろう。

 
遺伝子検査により、事前に色んな事が分かる時代が来ているようだ。
 
ちなみに、抗がん剤感受性検査(抗がん剤の効果があるかどうか)を事前に調べる方法もあるそうだが、「結果が全て」と考え、あえてやっていない。
 

いずれ近い内にセカンドラインとしてFOLFIRIに変わる。
 
そしてこの検査結果はあくまで確率を事前に調べるもの。
 
運の悪い人は必ずいる。
 
 
そしてこのFOLFIRIのもっとも恐ろしい副作用が。
 
妻の命を急激に縮める結果となってしまうのだ。