2017年3月17日。
この日は、新たに挑戦する治療「ハイパーサーミア」の相談をするため、都内にあるO病院の腫瘍内科を受診した。
この日は、新たに挑戦する治療「ハイパーサーミア」の相談をするため、都内にあるO病院の腫瘍内科を受診した。
診察の状況の前に、これからトライする事になる「ハイパーサーミア」がどのような治療なのか、について少し書いておく。
ハイパーサーミアとは癌に対する温熱療法の事で、専用の装置に横たわり、癌が存在する箇所に高周波エネルギーをあてることによって42度前後の高熱状態を作り出し、がん細胞を消滅させたり、免疫力を向上させたりする事を目的とした治療の事。
高熱で直接癌細胞を死滅させること以外に、抗がん剤の効果を高める事が出来るとも言われている。
イメージ的には電子レンジのような・・と看護師さんは言っていたが、もらったパンプレットを見ると、アイロンで挟み込むようなイメージが一番近いだった。
直接お腹に電極をあてるのだが、熱くなるのは身体の内部。
つまり腫瘍に届くように熱を与える仕組みになる。
始めて行く病院だったが、癌治療を行っているとは思えないような狭さで人も多くてごみごみした感じ。
11時から予約をしてはいたものの、こんなに混んでたらある程度待たされるかなと覚悟したが、来院して早々にすんなりと呼ばれた。
そして4階へ移動。
そこは「腫瘍内科」の専用フロアだったが、急に別世界な雰囲気になる。
そこは「腫瘍内科」の専用フロアだったが、急に別世界な雰囲気になる。
イメージ的には、ちょっと古い時代の会社の社長室のような感じ。
他にも患者さんがいたが、明らかに癌患者なオーラを醸し出していた。
腫瘍内科だから当たり前か。。
腫瘍内科だから当たり前か。。
10分ほど待つと名前を呼ばれた。
著書も色々出している高名なお医者さんと聞いていたけど、そのように感じさせない穏やかな初老の医師。
CTの肝臓の画像を見て、「随分賑やかな感じですね。」とマイルドな表現をしていたのが印象的だった。
そういえば妻の肝臓の画像を見た医者は今まで主治医しかいなかったけど、今回始めて他の医者に診てもらった。
賑やかな感じという表現。
これはどう捉えればいいんだろう。
やはり相当ひどい状況なのだろうか。
それとも希望を持ってもいい状況なのだろうか。
この日、先生と交わした言葉は多くはなかったが、皮下脂肪も少ない体形である事、ハイパーサーミアは大腸がん肝転移との相性も良いとの事で、効果は期待できるとの事だった。
こんなに進行した状態では治療なんてできない、と言われる可能性もあると思っていたから、まずは一安心した。
1回目の治療の予約を取って今日は終わり。
抗がん剤の効果を高める相互作用を期待し、抗がん剤治療の前日に合わせて、計6回行う治療計画を提案された。
ここまでがO病院の腫瘍内科を初めて受診したときの話。
ここまでがO病院の腫瘍内科を初めて受診したときの話。
今思うと、このハイパーサーミア治療を行ったことにどれだけの意味があったのだろうか。
ハイパーサーミアをやったから339日を生きる事が出来た。
ハイパーサーミアをやっても339日しか生きる事が出来なかった。
もしかしたら逆に進行を速めていた、なんて事もあり得たかもしれない。
何を考えても答えは見つからない。
きっと。
希望と期待。
これを得ることが出来たのが一番の意味だったのかもしれない。