2016年12月2日
無事退院の日を迎えた。
11月14日に入院。
11月24日に手術。
12月2日に退院。
という日程だった。
手術まで少し待たされたけど、土壇場で病院をT大学病院からJ大学医院に変更したりして、出来る限り最速で治療を進めることが出来た。
手術に関しては順調だった。
でもこれは暫定対処でしかないのは、医師たちに何回か言われている。
妻の病状、特に肝臓への転移の数と大きさは、素人が見たCT画像でも凄まじい事が明らかに分かった。
そして、熱も出ていたし痩せて来てもいたから、一刻も早く抗がん剤治療を開始したかった。
退院後の治療方針や日程は、全てJ大学病院を紹介してもらったY先生に委ねられる事になった。
J大学病院の非常勤医師だし連携も密だから、まずは任せても安心だろう。
そして治療方針は大腸がん治療のガイドラインに従うから、どの病院でやっても同じだという事だ。
それなら家から近い病院の方が良い。
実は退院時の妻の体調はそんなに良くは無かった。
前日に熱が出た事と、肝機能の数値が良くなかったから、一時退院が延期になる可能性があった。
でも翌日は熱も下がって、無事退院する運びとなった。
退院時の血液検査でもそうだったが、貧血傾向は癌だと分かる前から強かった。
大腸の原発巣からの出血があったからだろう。
だから入院中は毎日のように輸血していた。
肝機能の数値は基準値をはるかに超えていた。
この後の抗がん剤治療で改善はするものの、それは本当に一時的だった。
そして、ALBとCRPの数字も悪く、完全に悪液質。
つまり「痩せやすい」状態だという事だった。
これも抗がん剤治療で一時的に良くなるが、体重の減少に気をつけなければいけない状態だった。
心配事だらけではあったけど、まずは退院。
久しぶりに妻が我が家に帰って来た。
妻は自由になれた喜びを噛み締めている様子だった。
問題は数多くあるけど、原因が分かっていればそんなに怖くはない。
頼りになる主治医が家の近くの病院にいる。
張り詰めた気持ちを開放する方法を、少しずつ覚えてきたのかもしれない。