前期教育中にガス体験をした。
天幕に防護マスクをして、効果を確認してから、催涙ガスを実体験した。
催涙ガスは個人差があると班長は言っていた。
すぐに効果が出る者、ジワジワと出る者、効果が遅く出る者、まったく効かない者。
まったく効かない者は殆ど皆無。
天幕には、1個班12名全員入った。
防護マスクを外したら、煙がまあまあ充満していた。同期の何人かは、涙や鼻水がすぐに出てきていた。
私は涙などは出なかった。班長が目を擦れと言ったので、擦ったら目から涙が溢れてきた。
目をとてもあけていられなくなった。
S2士(のち士長)は、
「全然効果ないんやけど。」
彼は涙も鼻水も出ていなかった。目を擦ってもまったく反応なし。
天幕から出て用意していた洗面器で顔を洗うと、涙は出なくなった。
催涙ガスが水で流れたのだろう。
催涙ガスの効果はすごかった。
これを焚かれたら、味方に誤射するかも知れない。
S2士は、催涙ガスの症状は出ていなかった。
なので彼は顔を洗わなかった。
これが悪夢を生んだ。
彼の場合は、効果は遅く出る方だった。
催涙ガスの効果は、ガス体験後に出た。
症状が出ていなかったので顔を洗わなかった事を班長に告げると、班長にものすごくおんかれた。