ポール・グリーングラス監督。
ハリド・アブダラ 、ポリー・アダムス、オパル・アラディン 、ルイス・アルサマリ 、デヴィッド・アラン・ブッシェ 、リチャード・ベキンス 、スターラ・ベンフォード 、オマー・バーデゥニ 、スーザン・ブロンマート 、レイ・チャールソン、クリスチャン・クレメンソン 、ライザ・コロン・ザヤス 、ゲイリー・コモック 、ローナ・ダラス 、デニー・ディロン 、トリエスト・デュン 、トリッシュ・ゲイツ 、ケイト・ジェニングス・グラント 、ジェイミー・ハーディング 、ピーター・ハーマン 、タラ・ヒューゴ 、マルセリーヌ・ヒューゴ 、シェエン・ジャクソン 、ジョー・ジャムログ 、コーリイ・ジョンソン 、J・J・ジョンソン 、マサト・カモ 、ベッキー・ロンドン 、ピーター・マリンカー 、ジョディー・リン・マクリントック 、ナンシー・マクダニル 、リビー・モリス 、トム・オルーク 、サイモン・ポーランド 、デヴィッド・ラッシュ 、エリック・レッドマン 、マイケル・J・レイノルズ 、ジョン・ロスマン 、ダニエル・サウリ 、レベッカ・スカル 、クロー・シレーン 、ベン・スライニー 、オリヴィア・サールビー 、チップ・ジエン 、レイ・ジンマーマン出演。
~知らなかった事実。知ってからの自分。。ここに書かれた人、全員が主人公である。もちろん、ハイジャック犯を演じた彼ら4人もである。でも、主人公なんて本当は必要なかったんだ。。~
2001年9月11日。日本では確か深夜の出来事だった。。
僕は当時中学生。夜寝ていて、なんかリビングの方が騒がしく、目を覚ましてしまって、様子を見に行ってみると、オトンとオカンが二人でTVにかじりついていた。こんな時間に何してんの?と思いつつ、TVに映るビルを見た。。最初は普通に火事かなんかか??くらいに思っていたんだけど・・。 オカンのこの一言が、今も忘れられない。。。
『第三次世界大戦の幕開けや・・』
はって感じで聞いていたのだが、確かにそのビルや、周りの人たちの様子がおかしい。。何度も飛行機が激突していくシーンが放映されている・・・。
そのビルの名は、“世界貿易センター”。アメリカにあるビルらしい。。。
僕にとって初耳のものであったが、その飛行機の本当の正体や目的、そしてこのビルに突っ込んでいったということが、どれだけのことなのか、その時の僕はあまり理解できないでいた。。。
歴史の教科書の活字として残るくらいの第三次世界大戦、とまではいかなかったけども、それに匹敵する悲惨な出来事が、後に起こったことは言うまでもない。日本も自衛隊としてイラクへ旅立っていっていたが、本当のことをすべて知っている人は少ないのでは?僕は少なくとも、今でもあまりよくわかっていない。。関係のない人たちが亡くなっているのは、なんとも言えない気分になる。。アメリカと日本。様々な理由で、今は切っても切れない関係にあるので、いち日本人として、どう述べるべきかもわからない。。ホント難しい問題だね
今回の『ユナイテッド93』は、外の状況でなく、あの飛行機の中の状況を描いた作品。どこまでが真実でどこまでが虚構なのかは分からないけど、充分すぎるくらい伝わってくるものはあったと思う
ブラックボックス!?というのが機内に載せてあるっていうのは知っているけど、それがどこまで記録されていたのか、そしてユナイテッド93便のそれはちゃんと見つかっているのかという事実は知らないから
それと、本作で出てくる飛行機の管理センターや、軍の人たちは、当時の人、本人らが演じているんだと。いつもの倍くらいになってしまったけど、だから全部きちんと名前は載せておきました
世界貿易センター、ペンタゴンに飛行機が突っ込んでいったことは知っていた。でも、未遂のまま墜落していった機があったことは全く知らなかった。。そんな自分が、今かなり恥ずかしく感じる。“ユナイテッド93便”、これは一生忘れられないものであろう・・・いや、そう願いたい。。。テロ行為とは何のために存在するのか。
何気ないいつもの空港しかし、ある男たちにとっては命がけの、いや絶対に失敗してはならない任務をこなさねばならない日であった・・・
飛行機は、すべて管理センターからの指示で出発し、進路などの指示を受ける。すべては管理センターで操られており、逆に言えば管理センターは、すべての飛行機の情報が集まってくる場所でもあった。
そしてそんな風にセンターの人間がそれぞれの機長と連絡をとっていたのだが、アメリカ航空ボストン行き11便がなぜか反応をみせない・・・。担当の男が、センターの所長に連絡する。何度も11便にコンタクトを取ってみるが、やはり反応はない。。さらには予定の進路とは全く違う、変な動きをみせ始める。。。
と、そのとき無線にある会話が入ってくる。。このテープを解析に回したところから、ようやくこの日がどんな日になるのか、少しずつではあるが気づき始め、慌てだす男たちであったが、それはもはや遅かったのである・・・
一日に世界中を飛んでいる飛行機の数はかなりのものだった。もし、管理センターのようなものがないとしたら、交通の便で飛行機が一番安全だなんて、言えないだろうな・・縦・横・そして高度が伴ってくる、いわば“空の道路”なわけだから
本作で中心に描かれたユナイテッド93便は、約1時間遅れで出発する。1時間遅れでの出発は日常茶飯事の出来事らしい。
もしもこの機が数時間後、どうなっているのか、乗客のみんなが知っていたら・・・そんな、なんとも言えない気分になりながらも、ユナイテッド93便は離陸してしまう・・・。
一方の管理センターはすでに大混乱。軍への爆撃機の発射要請も出す
そして、ある小型機があの“世界貿易センタービル”にそのまま突っ込んだという情報が入ってくるTVでもその様子が映し出されている・・・唖然とするセンターの人間たち。小型機ではなく、あれはアメリカ航空ボストン行き11便だったと知るのも、少し経ってからである。そして、これがテロ行為だと知るときも、もうすでに時遅し、であったのだ。。。
センターの人間たちは、どれがテロの標的とされている飛行機なのか判別がつかないでいた。少しでも怪しい飛行機はすべてホワイトボードに書き込んでいく。一体何機が・・・次々に貿易センタービルに突っ込んでいく飛行機。軍の方も、テロの対象である機と、そうでない機との見分けがつかなったため、爆撃機を使うことは結局最後までなかった・・・。
ユナイテッド93便も、その標的の一つだった。テロリストの4人が行動を起こしてからは、こんな言い方しちゃいけないんだろうけど、本当に臨場感たっぷりのものだった。機長と副操縦士を殺して93便を乗っ取るテロリスト。
乗客たちもその異変に気づきだす。。
機内電話で外の情報を聞き出す男。
家族に最後の別れをする女性。
機内電話はこんなことをするためにあるものではない
家族と最後の別れをするための電話なんて・・・。このシーンはほんときつかった。。
一方で体格のいい男たちで反撃に出ようとするでも、その行動は結局・・・。もし、あの場に自分がいたらあんな勇気ある行動を起こせやしないだろう。絶対。。
だからこそ、命がけでテロリストたちに立ち向かって行った彼らの勇気にここで敬意を示したい。決して無駄でない、本当に勇気ある行動であったと思いたい
テロリストたちの目的が果たされず、そして決して死ぬ必要なんてない人間が亡くなっていたという事実を知った今、無念さでいっぱいである。。なんで彼ら(テロリスト)はこんなことを起こすのだろうと考えたところで“こちら側”の僕らには到底理解できない。でも、僕はふと『もし自分が逆に、彼らのような環境に産まれていたら、この行為に賛成、いや実際に行動しているのかもしれない。。』という恐ろしい考えが出てきたのを否定出来ないのも事実。。表裏一体というのはこういうことなのか??
同じ人間であるはずなのに、殺しあう僕ら。。そこにはなにも意味が見出せないと思いたい。というかテロなどといった行為はいけない、という考えを持っていることが“人間”であるということの何よりの前提だと思いたい世界中の皆がそう思う世界はいつやってくるのだろう・・・
少し考えがまとまらない感じで、走り書きのような感じになってしまったのだが、これは本当に観ておくべき作品だと思うどんなに退屈だと感じても、どんなに眠くなったとしても。。。
もう一つの世界貿易センタービルの“中”の様子を描いたニコラス主演の『ワールド・トレード・センター』は、試写が当たっていたんだけども見逃してしまって、劇場でも観る機会を作れなかった。是非DVDで観たいと思う。
2001.9.11に起こったこの出来事を僕は忘れない。。。
☆評価☆・・・4.3