キャプテンマークと銭湯と 佐藤いつ子
ハイキタコレ、小5終わりまでに読みたい物語文の傑作。突如現れた実力者に地位を奪われ、しかも人徳まで備えてるんかいという絶望。

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試合でミスした克彦を、試合後チームメイトは慰めるが、周斗だけは責める言葉を吐いてしまう、するとチームメイトは周斗の今までの態度を批判し始めた・・・

チームスポーツをやるということは、たった12・3歳で、このように衆人のなか批判されたり、救いようのない敗北感に打ちのめされたりすることなのか?

大地はこの年齢にしてはおそろしく成熟しているが、周斗が幼いということもなく周斗も一般的な中1男子よりは成熟しているのだろう。

「自分の中のてっぺんを目指す。こんな自分を支えてくれる人に、納得するものをまだ与えられていない」

「彼らはお前を信頼している、お前は彼らを信頼しているか?」

大地は他者を信頼するすべを知っている→大地に信頼されて、克彦は「自分のなかのてっぺんを目指す」ようになった(他者により高いパフォーマンスを出させる=優れたキャプテンシー)

大地の「自分の弱さをさらけ出し、相手の弱さに共感する」言葉か、周斗の「相手が本気を出してないことに失望し怒る」言葉か、どちらが?

部活にスイッチした子も部活の中で他者を信頼し信頼されることで、輝きだした

周斗も他者の信頼を受け入れ自分も信頼する(ベンチから声援を送るのは以前にはなかった姿。しかしオレ様プレーにも独自の良さがある)ことで、自分のなかのてっぺんにむけて努力する←これがこの本で描かれる成長物語

「自分の中のてっぺんを目指す」ということは、自分のなかに閉ざす、という意味ではない、ひろの姿を見て周斗は感化されているのだから。

 

●お山の大将 :周囲を見下す、自分を(実際以上に)高く見積もる

●自分の中のてっぺんを目指す :周囲の長所・自分がかなわない点を(悔しく思いながらも)認め、自分に与えられた場で努力する。→その姿が他者をも資する。自分ができないことは、相手を信頼し任せる