脳内THANK YOU SO MUCHツアー 終幕
⚠️最後までしつこいですがネタバレ注意です
ここまで見ていただいた皆さん、本当にありがとうございました!
今回のブログはいよいよライブの最終章、アンコールの模様そして全体の振り返りを書かせていただきます。
スクリーンには「お疲れではないですか?!」「もっと行きますか?!」と歌舞伎の役者絵が問いかけてきました。もちろんもっと行きます。
メンバーが登場してきました。
桑田さんは「まさかアンコールが来ると思ってなかったもので。さっきタクシー呼んじゃって待たせてるから。この後キャバレーを予約してるの、いやここ埼玉だからさ(?)」と言っていました。「それでは最後に一曲」というと客席からはブーイングの嵐。「え?最後の一曲でいいですか?」またもやブーイング。「いやもうほんとに時間がないからさ、最後の一曲でいい?それでは最後に一曲やらせていただこうと思います。」場内が一度暗転します。
M25. Relay〜杜の詩
アンコール1曲目を飾ったのは「Relay~杜の詩」です。茅ヶ崎ライブでは「盆ギリ恋歌」「歌えニッポンの空」を披露したもののこの曲はエンディングでしか流れず、歌われませんでした。それこそ次のツアーへRelayするという意図があったのだとしたら胸熱です。
ただこの曲は発表されてから色々と論争を巻き起こした曲でもありました。神宮外苑の再開発について触れたこの曲は、一部の界隈からはアーティストが踏み込む領域ではないという批判を受けていました。アーティストや芸能人が政治に斬り込むと批判されることが多いです。ファンの中にもサザンにはこの曲は歌ってほしくなかったという考えの方もいるでしょう。私はそういう難しい問題はわかりません。専門家でもないし、歴史を知り尽くしてもいないので俯瞰して語るようなことはできません。私はそういった思想とかは抜きに、あのメロディラインと歌詞の綺麗さという点でこの曲に惹かれました。NHKで一度歌われたときはハンドマイクでしたが、今回桑田さんギター持ちです。「答えておくれよ」の後の間奏では、客席から静かな、ただ強い想いの乗ったような拍手が。そして、消えゆく杜を表しているのか緑の綺麗な照明が会場を照らし、未来へ歩み出すような明るい終わり方をしていました。この曲は先にも述べた通り、2023年にサザン45周年のタイミングで3部作としてリリースされました。先の2曲よりも少し経ってからの発表で、最初このタイトルを見たときは「宮城(杜)を皮切りにまたツアー(Relay)をするということか」と勝手に思っていました。あれから2年経った2025年の現在、被災地はもう宮城だけではなくなってしまいました。そして今回のアルバムで一番初めに取り掛かった曲がこの「Relay~杜の詩」だったと「よむTHANK YOU SO MUCH展」でも拝読しました。
神宮外苑の件がきっかけなのかもしれませんが、この曲がアルバムの一番最後に収録されていることの意味など、色々考えさせられます。
「もっと行きますか~!!」の声かけと共にラスト2曲へ。
M26. 希望の轍
待っていました。最近でいうと、ロッキン2018、紅白、2019のふざけるなツアー、茅ヶ崎ライブ2023、ロッキン2024など、多くのライブで轍が続くように演奏されてきた曲です。これもミスブラ同様、何度も演奏されて変化を遂げてきた一曲だと思っています。今回のライブで印象的だったのは曲の中盤、背景映像には「茅ヶ崎ライブ2023」の模様がモノクロで映し出されていました。実はこの演出を見たときに強く感動を覚えました。というのも、桑田さんはご自身でもSKGsの中で「生涯現役の音楽人」を宣言されましたがその一方で、自分を含めたメンバーの年齢や体調も考えているのか、茅ヶ崎ライブ2023で地元に帰還したら一区切りつけようかと思っていたとの話を聞いたことがあります。サザンはデビュー当初から時代にとらわれない、言い方を変えれば自ら時代を開拓してきたバンドです。しかし時間の流れだけには誰も逆らえないというのもまた事実…そんなことを考えてはいましたが、それでもサザンは茅ヶ崎から再び全国への旅を続けてくれました。しかもただの旅ではありません。オリジナルアルバムを引っ提げてです。その楽曲の数々は、世間やメディアの求めるサザンのイメージに迎合(あわ)せるわけではなく、新規路線を開拓した最高傑作。
またツアーをしてくれて本当にありがとうと伝えたい。
ラスサビでは5人を映すカメラの映像が真ん中のスクリーンに。
また、話はそれますがYouTubeでロッキン2018の希望の轍がエグい再生回数を獲得しています。そのコメント欄の中で「お父さんの車の中で受ける英才教育」「母のお腹の中で聴き、父の車の中で聴き、息子へと受け継がれていく、希望の轍」など我々の世代と思わしきファンの言葉がありました。
物心がついた頃からサザンを聞いてきた我々Z世代。両親から受け継いだDNAに組み込まれているのではと最近は思っています。そして次の世代へ…
M27. 勝手にシンドバッド
「あなた方はいわゆる、アーティストを目指してらっしゃるんでしょうか?」
「いいえ、
目立ちたがり屋の芸人です!」
あれから約半世紀。ラストを飾ったのは、サザンのデビューシングルです。サザンの原点にして頂点の一曲。もう舞に舞っていたので記憶はほぼありません。「砂まじりの埼玉」といつもの桑田節。みんな揃って「いま何時?」とステージに向けて送る、このためにライブに来ているようなものです。
終盤には
「がんばれがんばれ能登半島
スーパーアリーナありがとう」
いつも楽しく舞っているはずの勝新でもなんだか涙が。3回ジャンプでライブは終焉を迎えました。
メンバーの名前を改めて読み上げつつ、「ほら早く前に出てきなさい」と松田さんや毛ガニさんに促す桑田さん。原さんが「そして桑田佳祐~!」と言うと大きな拍手が。メンバーの目に少しでも映るようにと手を振りますが、まあ届かないですよね。
「それでは最後に気持ちのいい例のやつをやってよろしいですか!
行きますよ、1、2、3、ダー!」
五人が頭を下げるときに自然と私も頭が下がりました。こんな素晴らしいステージを作ってくれたあなたたちにTHANK YOU SO MUCH!
こうして夢のような時間は一瞬で終わってしまいました。
【全体を通して】
1曲目の「逢いたさ見たさ」が始まったとき、茅ヶ崎やロッキンとは全く違う、そして東京VICTORYから始まる2019のツアーとも違う不思議な感覚を覚えました。思い返せば10年前、初めて参加したツアー「おいしい葡萄の旅」のとき1曲目は「Tarako」。初めて聴いた曲で、英語で何を歌っているか分からなかったですがライブ独特の何とも表現し難い高揚感を覚えたのだけは記憶に強く残っています。そして10年経ち、「ああ、この曲からか!」と思うくらいサザンの多くのライブや曲に触れてきました。時間の流れを強く感じます。そして今回のセトリは盛り上がりもある一方で、前半は灼熱のマンピーでのセトリが中心のマイナー曲を入れている構成。参加できたのが本当に良かったと思います。
そういえば、最後にセトリを改めて見返してみると、「あれ?今回の新曲は2023の三つを除くと全部で11曲のはず…一つ足りない。」そうです。まだ「暮れゆく街のふたり」という曲はライブで聴けていません。これから夜遊びで発表ののち、セトリに追加されていくのか、それともやらないで終わるのか…2017年の「がらくた」アルバムのツアーでは「春まだ遠く」という曲はやらずに終わっていました。この曲はそのポジションになるのでしょうか。色々と気になることは多いですが、これからもツアーが無事に続いていくことを願って、ここら辺で終わらせていただこうと思います。
以上、万葉のライブレポート(脳内THANK YOU SO MUCHツアー)初挑戦でした!
いかがだったでしょうか。なんか読み返してみたら、もはやライブのレポートというよりただ自分の書きたいことを延々と連ねているだけのまとまりのないものになってしまったような気もします。ただ、実のところこれが私の本当の姿。語り始めたら止まらないタチで、飲み会で嫌われるタイプですねこれは笑。一方、それでも読んでくださる方がいるなら書き続ける意義はあると思います。ワンチャンまた新しいことを思い出して付け加えるかもしれません。
最後まで読んでいただき、本当にありがとうございました!これからも「書きたい!!」って感じたら素直に書きたいだけ書きます。Xで発信することは少なくなりますが、これからもよろしくお願いします。(では、こちらもアンコールに取り掛かりましょうか…)
界隈の皆さん
THANK YOU SO MUCH
and
お互い元気に頑張りましょう!