脳内THANK YOU SO MUCHツアー 第4部
⚠️今回もネタバレ要素盛りだくさんになります
ということで(別にどういうことでもないけど)、今回は少し短めです。短めといっても、相変わらず延々と書き連ねていますがご了承願います。
実はXでの宣伝効果もあるのか、かなり多くの方々に見ていただいているということで大変嬉しい限りです。
ネタバレ要素しかないですが、ライブで目に焼きついた映像を少しでも忠実に再現したいという挑戦も込みで勝手にやっております。念の為と思い【ネタバレ注意】と入れていますが、もし間違って見てしまったという人がいたら本当に申し訳ないです、ごめんなさい🙇♂️
そして、つい先ほど発表がありましたが、明日のやさしい夜遊びを桑田さんはお休みする模様。宮城公演も控え、大事をとるとのことでしたが率直にいって心配です。ただ、我々ファン側のエンタメを止めてしまうのはそれこそ桑田さんの望むところではないのかとも思い、微力ではありますがこうしてさいたま公演に参加された方々が少しでもライブを思い出してもらえたらと勝手に今日も綴ります。
桑田さん、早く元気になってください🙇♂️
M18. 夢の宇宙旅行
この曲は夜遊びで年末に聴いた頃から頭でリピートしてきた神曲です。サザンの宇宙進出は「I AM YOUR SINGER」での宇宙船、「盆ギリ恋歌」でのサザン45鉄道(?)以来でしょうか。背景は我々を会場ごと宇宙へ誘うような綺麗な映像でした。「馬頭星雲」や「沙羅双樹」といった難しい言葉もメロディに自然に溶け込みすぎている。曲の最後には「Rocking Horseで居眠りして 目覚めれば僕の小部屋」という歌詞があります。この旅は小さな男の子が夢の中で宇宙までひとっ飛びした曲なのだという展開。確かに思い返してみれば、幼い頃、布団をかぶって眠れないとき暗闇の中でいろいろ想像していた気もします。私は昔枕に強く顔を押し付けると暗闇の中で万華鏡のような映像が流れるという不思議な経験をしたことがあります。絶えず変化しており二度と同じ景色は現れない。子供が大人になるにつれて失われていく豊かな感受性や想像力。桑田さんはそういったものを描きたかったのかななんて思いました。
ただ初めて聴いたときに少し引っかかった歌詞が。この曲は「目の前に大谷翔平のサイン」と締めくくられます。なぜ宇宙旅行の果てにこの歌詞を入れたのか、とふと疑問に感じていました。私は当初、あるストーリーを考えていました。
この子供は何か大きな病を抱えている子でベッドで眠っていた。お母さんやお父さんがあるきっかけで大谷翔平さんからのサインをもらって勇気づけるために飾っておいた。子供は自分の病のことも理解はしていないけど、ふと眠りに落ちると空の果てへと旅をしていた。お母さんが呼びにきて目覚めたら目の前に…
なんて勝手に想像をしていましたが、桑田さんは夜遊びで「メロディを作ったときになんとなく、志村けんさんの“アイーン”じゃないけどさ(笑)、そんな感じで」と述べておられました。いま大谷さんがトレンドということもあるし桑田さんの遊び心で入れただけのようです笑。いろいろ歌詞から考えるのも面白いところ。ただ、「報われぬ日々の総決算」「虚しいだけの人生なんておサラバ」などどこか悲しさや涙を誘う歌詞がある。歌詞の謎はそれこそ宇宙の果てに。
曲が終わると、何やらステージの後方にダンサーが四人移動してきたのが見えました。
M19. ごめんね母さん
この不思議な感覚の曲。スクリーンの映像も凝っていました。最初はなんの曲なのかと思いましたが、よくよく聴いてみたら社会問題になっている「あのこと」かと思いました。正直、ダンサーの動きが何を示しているかまではわかりませんでした。ただ、あの「やらかしちまった感」「何かから逃げるスリル」みたいなものは強く感じました。昨今社会問題として取り上げられる若者の「闇バイト」問題。手を出したら最後。それこそ我が身の破滅。ただ綺麗事だけじゃ回らない世の中。こんな自分でごめんと親に懺悔する若者の姿が描写されているのかと。
この曲の歌詞を最初に見て一番印象的だったのは2番のサビ「ワンチャン ゲスな モーション」という一節。我々若者の世代はよく使うようになった「ワンチャン」。意味としては「ひょっとしたら」です。それこそ親の世代が使っているのなんて見たことなかったので、びっくりしました。桑田さんはこういう若者文化にも通じていらっしゃるんだと改めて思いました。桑田さんは「この言葉歌詞に使っちゃう?」的な言葉をたまに使われます。「栄光の男」では「このオッチョコチョイ」と満月に睨まれますが、こういう言葉をサッと歌詞に入れてしまう、しかも違和感なく溶け込ませてしまうのが桑田節です。最後には「アイ アム ソーリー 父さん あなたと僕は似た者同士」。負の連鎖は繰り返されてしまうのでしょうか。桑田さんが「ママ!」と叫ぶと、背景映像には人工知能を搭載したロボットのような顔が出てきて「ウスバカゲロウのような…」から始まるセリフを会場に伝えてきました。桑田さん曰く、これはAIボイスで打ち込んだ音声らしいです。常に最先端をいくサザン。50年前は、AIだとかワンチャンなんて誰も発していなかった言葉です。
時代とともに進化し続けてきたサザンを象徴する一曲だと心底思います。
またまた横道にそれますが、少しXでも触れた通り、私はライブに参加するときは「ライブでしか見れないものを見る」ことを強く意識しています。その代表例として、スクリーンに映る文字です。DVD化された後はステージや客席が基本映されます。そりゃあそうですね。わざわざスクリーンをもう一度映し直す必要などないですから笑。しかし、だからこそ生で見たいところ。曲名や歌詞の文字体は、その曲の雰囲気で変わったりします。Xでのフォロワーさんの中にはこのことを分析して論文化しようとまでしている方もいて、改めて興味深いテーマだと思いました。ここで書くとまた長いですから別の機会としますが、今回の「ごめんね母さん」の字体は、実は今回のライブではここでしか使われていなかった(ような気がする!)
AIボイスが「…そしてミラーボール 回転」というと会場をミラーボールが照らし始めます。最初は「東京VICTORY」かとも思ったのですが、前奏はロッキンで聴いたことのあるあの曲でした。
M20. 恋のブギウギナイト
46周年を迎えて初めて発表された曲です。ドラマ「新宿野戦病院」の主題歌にもなりました。当初Xではこの曲はライブに向かないのではといった意見や少し期待外れといった声も上がっていましたが、私はむしろサザンの新規路線開拓か、と思っていました。もちろん初めて曲を聴いたときは違和感を覚えるもの。
ただ、何度も聴くうちに耳にフィットし、いつの間にか口ずさんでいた、というのはサザンではもうお決まりのこと。
案の定、この曲もロッキンの頃には頭で永遠にリピートする曲になっていました。「Ahh あの時代は天国だった」という歌詞には過去への哀愁みたいなものも含まれているのかと思いました。ソロの「過ぎ去りし日々~Going down」でも桑田さんの全盛期への思いが書かれているような気がします。ただ私の中ではサザンは「現在(いま)が全盛期」なバンドです。ロッキンと同じく、エバトダンシングチームの皆さんがステージ上を舞います。曲の最後には「ピアノ売ってちょうだい」「タケモトピアノ」というフレーズもロッキンから引き継いでいます。ちなみに普段あまり本を読まない私なので、桑田さんの歌詞で初めて知った言葉、語彙は山ほどあります。特に今回も「醜女」という言葉。これもまた頭に残るメロディで溶け込んでいるわけですが、「女神か 醜女か 魔女なのか」どうやったらこんな歌詞を書けるのか。
「それではここで長年皆さんに可愛がってもらっている曲をやってもいいですか?!」の桑田さんの一言で、ライブはさらなる盛り上がりへ。
M21. LOVE AFFAIR~秘密のデート
こちらもライブでは定番の名曲です。ここ最近はカモメの声や汽笛の音から始まるイメージですが、今回は違いました。これは個人的な感想になりますが、もともとこの曲をプライベートで聴くことはあまりありません。嫌いなわけではないですが、思い入れがもの凄く強いかと言われればそうではないです。ただ、ライブで聴けばこれ以上なく盛り上がる楽曲です。「棄ても失くしも僕はできない ただそれだけは臆病なのさ」。
1番で世界観を作り、2番の歌詞で一気にもっていくのが桑田節。
M22. マチルダBABY
「恋のブギウギナイト」からの流れは実はロッキン2024と全く同じ形になっています。ロッキンのときは昔のRPGを彷彿とさせる背景映像が流れていました。特にあの、ラスボスと思われるひとつ目の大魔王が印象的です。しかし今回はまた別の映像だった気がします。ここまでくるとノリにノリすぎて細かい演出まで見ることはできませんでした。
※ここから筆者がライブで盛り上がりすぎたこともあり、演出に関する記憶が少なく、通り越して読み応えがなくなるかもしれません。何のための脳内ツアーかと言われればそれまでですが、どうかお許しを)。
M22. ミス・ブランニュー・デイ(MISS BRAND-NEW DAY)
マチルダからのもっていき方は2019の頃と同じです。背景映像は近未来の都市を感じさせます。ミスブラはもしかするとCD音源から一番変化を遂げた曲ではないかと思っています。文学に詳しい方がいたらいつか教えて欲しいのですが、よく使われる言葉ほど変化していくという話を聞いたことがあります。英語でも日常生活ではあまり使われない専門用語はその源流であるギリシャ語の名残が強くあったりします。日本語でも「むずい」「恥ずい」など、よく使われる言葉は変化していくもの。これは曲も同じことが言えるのではと思っています。ミスブラは何度もライブで演奏されそのたびに変化して、今のライブバージョンにたどり着いたのかと思います。対照的に、2019年のふざけるなツアーを思い返していただけると分かりやすいですが、ライブではあまり演奏されてこなかったマイナー曲ほど原曲の名残を感じます。
M24. マンピーのG★SPOT
こちらもライブでは定番です。今回は、背景の映像がTHANK YOU SO MUCHの「C」の文字に最初はフォーカスしますが、それはフェイントで、実は「!!」の小さな・を拡大していくと「G」の文字になっているという、もうなんでもアリの演出です。エバトダンシングチームの皆さんがいつも通り曲を盛り上げます。曲の最中も映像にバナナが降ってきたり、うさぎさんが餅つきしてたり、情報量が多すぎて把握しきれません。
あっという間に(第一部は)終わり、メンバーは一度退場していきました。
これも何度も参戦している側からすればお決まりのことですが、アンコールです。
もちろんメンバーの皆さんも疲れているのでアンコールがあることを当たり前と思ってはいけませんが、絶対用意されているといつも勝手に確信しています。