チョロ吉がシェルターに入ってからずっと眠る事ができませんでした。
息は吹き返してくれたけれど、蒼白なままヨタヨタとシェルターに入っていったのですから・・・。
待つしかありません。
祈って待つしか。
1時間・・・2時間・・・
そして、うとうとしてふっと気が付くとチョロ吉がシェルターの外に出て来ていました。
出て来てくれたっ❗️
しかも、あんなに白くなっていたのにちゃんとシェルターの色に合わせています。
きっときっと体調が持ち直して周りの色に反応できる余力が出たのでしょう。
良かった。本当に良かった。とりあえずの峠は超えてくれたようです。
こんな小さな小さな体にまだ命の灯火は小さくとも力強く残ってくれていたんです。
チョロ吉ありがとうね。
だから、もう少し待っていて。
今日池袋東武でコオロギ買ってくるからね。
あと半日。
そう、もう朝になっていたんです。
少しでも食べてくれたらと、人工餌を用意して講義に出かけました。
頭の中はチョロ吉の生き餌の事でいっばいでした。
メディカルハーブの講義中、私の左側の白い壁に何やら動く気配が・・・。
小さな小さな蜘蛛が歩いていたんです❗️
あの・・・先生、この蜘蛛さんいただいてもいいですか?
かくかくしかじか・・・うちに餓死寸前のヤモリベビーがおりまして。
「あ、蜘蛛は良くいるのよねぇ。益虫だからそっとしてあげてるのぉ。でも、そういう事ならいいわよぉ。」
本当にすみません。いただきます。
コンビニの袋をさっとかぶせるとうまいこと確保に成功しました。
蜘蛛ちゃん、お命チョロ吉にいただきます。
講義が終わると早々、先ずは東急ハンズに寄って虫かごの追加(コオロギ飼育用)と通販で頼んでいるのにまだ来ない網を買いました。
もし、今日東武でコオロギが手に入らなかったら、この足で公園に行って自分で生き餌を取るしかないんですから・・・。
もう、待った無しです。
池袋東武のエレベーターで最上階のボタンを押して、案内表示を確認しても催し物会場としか書いてありません。
もうアクアハウス無いのかしら。
ネットで調べた情報はもう古い可能性もあります。
催し物会場を通り抜けて屋外スペースに出ると、食べ物屋台広場になっていて、家族連れでごった返していました。
その奥に❗️❗️
入ってすぐ売り場の青年を捕まえて・・・
赤ちゃんヤモリを保護しちゃって、でも人工餌を食べてくれないで瀕死なの。コオロギSSありますかっ??
「はい、ありますよぉ。ニホンヤモリですね?あ~、食べないんすよ、人工餌はね。ニホンヤモリはね~。外国のは食べてくれるんですけどね~。」
そ、そうなの??
そうか・・・そうなのね。
なんか・・・じ~んとしちゃいました。
ニホンヤモリ・・・日本男子 武士は食わねど高楊枝。
死にそうにお腹空いたら食べるんじゃ無いかと思ってたけど・・・
餓死を選ぶのね。
助かるかしら?生きて待っててくれると思う?
「大丈夫ですよ。野生だから、体力ありますよ。きっと間に合いますよ。」
ありがとうね。
とにかく1分でも早く帰宅して食べさせなきゃ。
この命を頂戴して、命を繋がないと・・・
網やら飼育ケージやらて凄い荷物な上に、生きたコオロギと頂いた蜘蛛。
それで走るんですから、髪振り乱し汗だくでした。
帰宅して一応宅配ボックスを確認すると、有難い事にネット注文していたコオロギSSも届いていたんです。
ギリギリにコオロギSSが沢山手に入ったんです。
これを食べてくれたら・・・そして消化する余力が残っていたら助かります。
大急ぎでリビングに行くと、チョロ吉はシェルターから出てウロウロしていました。
これはいける❗️❗️
宅配で来たコオロギと東武で買ったコオロギを見比べると、宅配の方がさらにSSでした。
こっちからにしよう。
とにかく少しでもチョロ吉が驚かない大きさで、太刀打ちできそうな相手にしないと。
チョロ吉のケージにSS君達を・・・。
チョロ吉、今まで見たことの無い凛々しい顔になりました。
そして・・・。
おお~❗️❗️
あたなも一端のヤモリだったのね。
完全にハンターの顔になっておりました。
チョロ吉、カッコいい💖
何より間に合って良かった。
チョロ吉の命のタイムリミット。
本当にギリギリでした。
神様ありがとうございます。
繋いで頂いたこの小さな小さな命・・・責任持って守って行きます。
チョロ吉、これからよろしくね。
これで本当に家族になれたよね。
つづく