チョロ吉ハウスを一晩台所に置いて・・・バナナに小バエが来たりしてないかなぁ~と期待しながら覗き込みました。
ん?チョロ吉は何処だ?
なにせ、柿の種並の小ささなのでチョロ吉ハウスの中をくまなく探してみます。
この木材は銀座のパウパウアクアガーデンで、爬虫類に詳しい藤森さんという店員さんが選んでくれました。本当は縦に登れるように置いた方が良いらしいのですが、倒れたりしたら危ないので一応横に置き、チョロ吉が怪我しないように三段階のサンドペーパーで表面を滑らかに仕上げてあります。脱皮の時に擦り付ける所が必要だそうなので、所々は少し粗く残して置きました。
この木材やらグリーンやらをくまなく探して、結局チョロ吉は床材としてひいている2枚のキッチンペーパーの間に隠れて居たんです。
なんだ、そこに居たの・・・えっ?ちょっと・・・
キッチンペーパーが薄いベージュなためか、カメレオン並みに身体の色を合わせられるチョロ吉は妙に白くなっていました。
いや、それだけじゃない・・・どう見ても昨日の晩より小さくなってる気が・・・。
少し縮んだというか、干からびた?と言うか。
昨日の晩、この台所に置いた時より明らかに・・・。
これは、そう、その時が近いと言うことなのでしょうか。
そうは言っても生き餌は来てないし、仕事に行かなきゃならないし、仕事終わるのは20時過ぎですからもうどんな爬虫類ショップも閉まっています。
仕方ない、少し人工餌を口元につけて後ろ髪引かれながらも出勤しました。
これはもう時間が迫っている。それは明らかでした。
生き餌が来るのを待っててはダメだ。
どうにか手に入れないと。ネットであれこれ調べると、翌日メディカルハーブの講義で行く池袋の東武デパート屋上にアクアハウスという熱帯魚・爬虫類を扱っているショップがあるようで、コオロギなどの生き餌も扱っているのが分かりました。
明日買って来よう。それまで、なんとか人工餌を無理やりあげて繋がないと。
仕事が終わって大急ぎで帰宅すると、チョロ吉の縮み具合が更に進行していました。身体も正気なく真っ白。手の指なんて乾いてそっくり返ってしまっています。
やだ、チョロ吉。
死んじゃいや。お願い待って。
ハウスの中身を全部出して、チョロ吉と向かい会います。
チョロ吉、このままではあなた助からないんだよ。
お願い、その一舐めはあなたのために、その一舐めは私のために・・・お願い生きて。
口元にゼリーや人工飼育餌を塗るのですが、力なく舐めるだけ。
ネットで「シロップを舐めさせると、鼻を塞いで死んでしまう」と書いてありました。お口からお鼻まで、ほんの1ミリほどしかないんですから。なるべく顎の下に塗ってやらないと危ない。
そう分かっていたのに、泣きながら長いピンセットで塗るものだから、お鼻を塞いだのでしょう。
あれ?チョロ吉❗️❗️❗️
息してるよね??してないの?
胸が動かなくなりました。
そのまま身体もジッと・・・
やだやだやだ❗️❗️❗️死なないで❗️❗️
ピンセットの先でそっとでも確実に胸の横を押しました。
2度・・・3度・・・
ふっとチョロ吉が倒れそうになると同時に意識が戻りフッと息を吹き返しました。
息をするんだよ❗️❗️❗️
はぁ~っと大きく一回息をして、小さな呼吸が始まりました。
良かった。もう危ないからこの辺で餌やりはやめよう。
それにしても・・・
なんで、こんなに急に・・・餓死しかかるとこんなに急に干からびたり縮んだりするのか・・・もちろん、それもあるだろうけど・・・
あっ。
そうに違いない。餌をほとんど食べずに一週間が経っただけではなくて、そこへ持ってきての・・・。
私は夏になるとこの台所にいつの間にか、何処から来るのか小バエが飛んだりするのが許せなくて、今年は特に毎朝キンチョールを充満させてから出勤してたのでした。
もちろんチョロ吉を台所に置いてからは使っていませんし、それもよぎったので、換気扇も回して、台所とリビングの間のドアも全開にして空調も良くして出かけたはずでした。
でも・・・
きっと台所に残留している薬品のせいで、こんなに急に干からびたんじゃないかしら。
そういえばチョロ吉を捕まえたのも、この台所。
この台所の空気で弱っていて、私に捕まったのではないかしら。
なんてバカなんだ私。
チョロ吉を殺す気か。
餌もろくに用意できなくて、挙げ句の果てに薬品の残留した台所に置いたんですからね。
何をやってたんだこの一週間。
チョロ吉、本当にごめんなさい。
お願いだから助かって。
チョロ吉を別の飼育ケースに移して、リビングに戻してやりました。
身体は蒼白です。
この子に生き延びる力が残っていて欲しい。
私にチャンスを残して欲しい。
君を助けたかっただけなんだ。
もう、こうなったらなんでもあり。
奇跡を信じて・・・。
老猫の為に使っているバッチのフラワーレメディー。その花のエネルギーでも何でもいいから、効いて欲しい。
お尻に一滴だけたらしてやりました。
チョロ吉は入れてやったシェルターの中に
ゆっくりと入って行きました。
殺虫剤の影響が取れるまで、チョロ吉に生きる力が残ってくれていれば・・・。
つづく