ロシアと一口に言っても東から西までも長ければ縦幅もなかなかにデカく、時差でいうならば10時間分の大国。
そんなわけなので地域によって住んでる人も気候も植物も食文化も様々です。
ペテルブルクはロシアの北西、北欧のすぐ近くで海が近いせいか冬があまり寒くないかわりに夏もいうほど暑くならず、その期間も短いので結構快適です。
そんなほどよく温いペテルブルクの春の終わりのような夏の始まりのような季節のお告げ…それはきっとライラックあるいはリラの花。
ペテルブルクにおいては日本でいうところの桜くらい市民に愛されているような気がしています。
有名なチャイコフスキーのバレエ《眠りの森の美女》でも重要な役どころでリラの精が登場します。
子どもの頃の私にとって全く身近な花ではなかったので、この作品で初めてライラックなる花を知りました。
その時はそんな国民的(市民的)なお花だとはつゆ知らずでしたが。
今年メモリアルなラフマニノフの歌曲にもあります。
ロシア語でライラックはСирень(シレニ)といいます。
気温によって開花時期は毎年異なりますが、おおむね5月下旬から6月頭らへんまでが見ごろとなっているはず。
さて、だいぶ前置きが長くなってしまいましたが今日はライラックのあるペテルブルクを私のアルバムからかき集めてみました。
春の終わり、イサアク聖堂前の公園はまるっとぐるっとライラックに包まれます。
近くを通りかかるだけで、なんとも言えないよい香り…そして何よりこの美しい色と愛らしい形…!
はっきり濃ゆいめの紫から白っぽいものまで、木によって色は様々です。
少し遠目で見るとこんな感じ。
気のせいかもしれませんが色が濃い方が香りも濃いような。知らんけど。
ライラックの花がもりもりしている頃、芝ゾーンではバラが目覚めの準備。
公園の反対側らへん。
同じところで別の日にウェディングフォトを撮っているカップルに遭遇。
こうやって隙間から人々を眺めるのが好きなのですが、多分どうみても不審者。
時系列前後してしまいますがこれは蕾の頃のお写真。
通りすがりにライラックを愛でそして匂いでゆく人々。
数キロ移動しまして、これはスモリヌィ学院(今はペテルブルク大学の校舎のひとつ)のあたりの公園。
やや淡い色味のライラック。
この季節はあらゆる公園でライラックやらマロニエとか栗系のお花が咲き乱れていて本当に最高なのですが、5年住んでいても何故か同じ場所の写真ばかり…
それは何故か…
テスト期間で通学路以外どこにも行けないから🥲
ロシアの大学のテスト期間は1ヶ月以上続き、その様式も様々で準備が結構大変です。
そんなわけで私もまた通りすがりに匂い愛で写真を撮って行くのでした。
ちなみにロシア人いわく、5枚の花びらのライラックを見つけると幸運が訪れるそうです。(普通は4枚)
四葉のクローバー的な!?
四葉の発見もたいへんですが、ライラックの花はかなり小さいのでもっと難しそう。
この話を教えてくれた友人は探すでもなく通りすがりにサッと見つけていて驚きました。
さて、まだ微妙に遅咲きで残っている木もあるのですが、ほとんど終わり。
早くも恋しい…
また一年この季節を楽しみに生き延びてみようと思います