12年越しのアイラブユー
Side-A
《9》
うっわーーー!!
言っちゃった、言っちゃった!!
どうしよう!
翔ちゃん、引いてないかな?
どうしよう、でもオレふつうに断られたらちょっとショックかも。
ドキンドキンうるさい心臓の音が翔ちゃんに聞こえちゃいそうで。
「だいじょおぶだよ!オレ何もしないし!
や、何もしないって言うか別に寝るだけだし!
ね?そおでしょ?くふふっ!
あっ、でもしょおちゃんイヤならオレ、ソファーで寝るからさ!
しょおちゃんオレのベッド使いなよ!!」
ぅ~わ、テンパってんのバレバレ・・・
しかもこの流れじゃ『いいよ俺がソファーで寝るよ』のパターンじゃね?
あぁ~っ、オレのばかばか!
盛大に後悔中のオレの耳に、
翔ちゃんのコトバが届いた。
「うん、いいよ、一緒に寝よう。
今日はちょっと冷えるし、お互い風邪ひくわけいかねーしな。」
『うん、いいよ、一緒に寝よう』
『うん、いいよ、一緒に寝よう』
『うん、いいよ、一緒に寝よう』
洗面所に行く間も、
二人で歯磨きする間も、
ベッドルームに行く間も、
オレの頭は壊れたレコードみたいに
そればっかりが繰り返してて
嬉しいような
恥ずかしいような
嬉しいような
嬉しいような
嬉しくて
嬉しくて
嬉しくて
顔が赤いのと
ニヤけちゃうのを
ごまかすのに、
必死だった。