雅紀の到着と同時に腰をあげると、
カザマも立ち上がってスッと横にずれた。
「えっとね、こちらが櫻井さんちのしょぉちゃん!
しょぉちゃん、こっちはおれの友達のニノちゃんとまつじゅん。
まつじゅんはここのDJでね、MJって名乗ってんの!」
「あ、初めまして。櫻井です、」
「どうも。MJこと松本です。」
「どうも、二宮です。ニノでいいっす。」
MJとかいう男は、
モデルみたいにスッとした線にメリハリのある顔つきのイケメンで
二宮(ニノ)という男は、
何とも言い難い、人を惹きつけるような不思議な雰囲気を纏う小柄なイケメンだった。
二人は無邪気に笑う雅紀の横に並んで座り、
ニノの隣にオーナーが座り直した。
「あっ、じゃあオレ、フロア行ってるね!
サクライさん、ごゆっくり!」
「アレ?かざまぽん、いたの?つって!くふふふ!
階下(した)頼むね?行ってらっしゃい!」
手を振って去ろうとするカザマに
雅紀が楽しそうに毒づく。
「おぅ、しっかり踊ってこいよ!」
DJMJも後に続いて声を掛けた。
「オレ実は櫻井さん初めましてじゃないんすよ、」
カザマから視線を戻したMJが言った。
「櫻井さんが初めてうちに取材に来た時、一度挨拶させてもらってるんすよね、」
「えぇー!知らなかったスミマセン、」
「いや全然いいんすけど、」
そこまで話した時、
スタッフくんがみんなの分のビールを持って来てくれて、またみんなで乾杯した。