「ごめんな、遅くなって」
「ううん、来てくれてありがと!おーちゃんおれもハイネ飲みたい♡」
雅紀は椅子に座りながらオーナーに飲み物を強請(ねだ)った。
「おい雅紀、チケットないなら追加で買えよ、」
財布に手を伸ばそうとしたら
オーナーがそれを制した。
「いいよいいよ、翔くん、
相葉ちゃんにはいつもいっぱいお客さん連れて来てもらってるし、
今日は二人とも好きなだけ飲んでいいぞ?」
「わぁ〜い!ありがと、おーちゃん!」
「いいんすか?すんません、ご馳走様っす、
あー、あとクルマ、ホント停めてていいんすか?」
「うん、いい。帰るとき代行でもいいし停めたままタクシーでもいいぞ?」
「あざっす、お世話になります。」
雅紀にビールが届き、3人でまた乾杯をする。
ゴクゴクと勢いよく飲んだ雅紀が嬉しそうに
「そうだ、しょぉちゃん!友達呼ぶね、待ってて!
おーちゃんもまだいてよ?」
椅子から立ち上がってフロアを見下ろすと、『いた!』と小さく言って
また階下(した)に走っていった。
「オーナーもあいつの友達よく知ってるんすか?」
「うん、たまに来てるしね。
一人はうちのDJなのよ」
「へぇ?」
DJと聞いてブースに目をやると、
ちょうど雅紀が誰かと一緒になって中のイケメンに話しかけてるとこだった。
「サクライさん!こんばんは!」
突然背後から声を掛けられ驚いて振り向く。
「おぉ!カザマ!久し振り!」
人懐こい笑顔のカザマと握手をして着席を促した。
しばらく3人で話をしていると雅紀が戻ってきた。