Believe 43 | 山風に吹かれた櫻葉へのつぶやき。

山風に吹かれた櫻葉へのつぶやき。

ある時は嵐情報。またある時は櫻葉妄想小説。自由に生きております。
腐寄りにつきノーマルアラシックさまは速やかにご退出くださいませ。

つながる花2Believe1/42




Believe 43/Side-S




⚠️CAUTION⚠️

⚠️まだまだ存在がダメ、名前も見るのもイヤ、という仔羊ちゃんは暫し読むのをお控えください⚠️


























「違うんだ!」





言った後で、ハッとする。


驚いて俺を見る雅紀と、彼女。





「あ・・・、いや・・・、ゴメン、」





超高速で言い訳を考える。



焦っているはずなのに、不思議と頭の中はクリアになっていった。





「その・・・、


今回の件のメリットはさ、お互いデカいスクープの隠れ蓑になる事だったじゃん?」





そう。

これは至極、単純なことなんだ。




「そっちはキミの不倫をカモフラージュさせる為、

こっちは事務所の後輩の不祥事の数々を払拭させるためのクリーンなニュースをっていうさ。」




回りくどくするからややこしくなる。




「・・・櫻井さんに・・・、

嵐の皆さんには無関係のことばかりなのにね・・・、」




───ほら、

また、カラマワル。




「まぁ、表向きには、ね。」


「・・・え?」
「えっ?」




彼女の眉がピクリと動いた。

同時に、視界の端で雅紀の双眼がこちらを向いたのを把握した。




「しょぉちゃん?」




雅紀が心許ない声で俺の名を呼んで、

腕にその体温が伝わる。


その不安を包み込むつもりで手に手を重ね、雅紀にも、彼女にも、事実確認をするように言葉を整理(ならべ)た。




「事務所の副社長に言われたんだ。

コトの成り行き次第では、社運を賭けて俺とキミとの入籍も辞さないつもりだって。」




視界の隅で雅紀が俯き、その指にキュッと力が入る。




「キミの方もそれを表向きの形式的なものだって納得してるって。」


「そう・・・、


そうなの・・・。



ごめんなさい。私の勝手で・・・、」





言葉の合間に見せた彼女の視線に、


どこか違和感を感じた。





「本当に・・・、


櫻井さんには申し訳ないって・・・、


嵐の皆さんにも、申し訳なさすぎて・・・、」





・・・俺は、大きな勘違いをしていたのかもしれない。





「いや・・・、



俺も、今の職業を選んだ以上、ある程度プライベートも事務所に預ける覚悟はあったし。」





俺を見るその視線の奥





「それ以上に、事務所には護ってきて貰ったこともあるし・・・、」





今までは気付かなかった彼女の感情に気付いてしまった。




雅紀の前で、


きちんとはっきりさせた方がいい。




ギュ、



雅紀に勇気をもらうようにその手を握り直した。



果たして俺たちの事を伝えるのが正解なのかどうなのか、わからないけれど。




俺は、俺たちを、雅紀を、恥じてなんていないから。




彼女の中にあったであろう淡い自意識に、



俺の気持ちはこの流れにはないのだと、


あくまでも事務所の判断なのだと。



きちんと、伝えなくては。




もう一度雅紀の手を握ると、


まるで全て伝わっているかのように、


俺に舵を任せるというように、




雅紀がコクリと頷いた。




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