最初から→#1S
前回→#114A
Discostar★Love 4
#115/Side-A
「らっしゃいませ!3名様個室ご案内でーす!」
一応、個室は個室なんだけど。
「お冷お持ちしまーす!」
「ごめんね、しょぉちゃん、居酒屋で。」
「全然いいよ、」
通された先で店員さんに聞こえないようにコッソリ翔ちゃんと話してたら、
先に部屋へ入ったマロがさっさと上座に座った。
「おい!」
注意しようと思ったら、
「サクライさん、そっち側ならお店の人にも気付かれないっすよね?」
って、マロがニカッて笑った。
「お、サンキュ、気が効くじゃん、」
エヘヘって笑うマロを見て、
胸の奥が密かにズキンて痛む。
翔ちゃんが入り口から手前側の壁際に座ったから
その隣にストンって、座った。
メニューを覗き込む二人が楽しそうに見えて、運ばれてきた水を飲み込んでみたけど
「あ、コレ美味そう!」
「ホントだ、」
やっぱり楽しそうに見える。
「雅紀、どれ食いたい?」
振り向いた翔ちゃんに、
笑って答えようと思うのにうまく笑えてる気がしない。
「ぁ、おれ、何でもいい。二人で決めちゃっていいよ、ちょ、おれトイレ。」
逃げるように、
席を立った。