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Discostar★Love 4
#113/Side-S
コーヒーショップを出て駐車場に向かう途中の小径で
落ちた陽の陰りに紛れて手を繋ぐ。
ハッと俺を振り向いた雅紀が目を合わせて2秒、
ふふっと笑咲(わら)ってつま先に視線を落とした。
柔らかな雅紀の笑い声が、俺の胸に花を咲かせるように温かな気持ちになる。
キスしたい、そう思ったけれど前方の角から人影が現れて
キスどころか繋いだ手が離れた。
もどかしい、距離。
手持ち無沙汰の左手をポケットに突っ込んで歩く。
前方から近付く人が真っ直ぐこちらに向かう気配に、
条件反射で右手でキャップを直すフリで顔を隠すように足元を見ると、
「慧!」
左を歩いていた雅紀が声を上げた。
「わ、マジだ!似てんなって思ったけどホンモノだ!」
「なんだよ、なにやってんだよ、」
偶然にしてもこんな所で逢うなんて。
「ナニ?二人とも、今からどこ行くの?メシ?」
「ぁ・・・、えっと、」
雅紀が俺を振り向いて伺いを立てる目をした。
「まぁ、そんなとこ。マロは?」
余裕の笑顔で返してやると、丸い瞳(め)をクルリとさせて
「オレも、そろそろ腹減ったなって思って。」
と言って笑った。
・・・コレは・・・
誘うべき、か・・・。
雅紀を一瞬見て、
ニコっと笑ったのを確認して
「良かったら、一緒に食う?予定があるならアレだけど、」
そう言ったら、
マロはまあるいフワフワの髪を風に揺らして
「え、いいの?」
って、人懐こく笑った。