キミがボクの優勝旗(9) | 山風に吹かれた櫻葉へのつぶやき。

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(9)


チュ・・・



唇が、離れる。




「ぁ・・・、」

「あ、・・・ゴメン、」

「・・・ううん・・・、」

「・・・、」




沈黙が、流れる。




何か言ってよ

翔ちゃん・・・




胸が、苦しい。




さっき、好きって言い合ったよね?

キモチが、重なり合ったの、

僕の、勘違いじゃないよね?

なんで、謝るの?




翔ちゃん・・・




「しょぉ、」




言いかけた時に、

翔ちゃんの左手が僕のほっぺたに触れた。




「雅紀が、好きだよ。」




想いが、溢れる。




「・・・僕も、しょぉちゃんが、好き。

ずっとずっと、好きだったよ。」




チュッて、もう一度唇が触れる。



やっと言葉にできた僕のキモチ。



翔ちゃんに伝える日が来るなんて

思ってなかったキモチ。




「俺だって、気が付いたらもうずっと雅紀のことしか見えてなかった。

ずっと見守る覚悟でいたけど、

やっぱダメだわ。ハハ、」




そう言って笑った翔ちゃんが

真面目で優しい顔をした。