ふたりのカタチ(櫻葉) *2 | 山風に吹かれた櫻葉へのつぶやき。

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Hoop*2




・・・以前も、同じようなことがあったことを思い出す。






昔のレギュラーのバラエティー番組で

ゲストに俺の大学の級友である女性アナウンサーが出た時、

相葉くんはトークはみんなに任せたと言わんばかりに収録中ずっと口を噤(つぐ)んでただ大人しくそこに居て、

もっと参加しろってマネージャーに注意されたんだっけ・・・




なんで───?




その時は理由は分からなかった。




分からなかったけど。


・・・別に、俺の所為(せい)って訳じゃねーのに妙に気になって

アレから相葉くんをよく見るようになっていた。




男、同士だし・・・、

こんな考えは間違ってンのかもしんねーけど。




相葉くんは、


俺に、


普通の関係以上の何か───、


何か別の、もう一歩踏み込んだ感情を持ってくれてンじゃねーかって、

そう思うのがしっくり来る事がたくさんあって、




いつの間にか

そんな期待に似た淡い気持ちを持つようになっていた。




・・・先月も、

相葉くんがメンバー全員に『御中元』って、素麺をくれたんだけど。



みんなの住所を知らないから持って来ちゃったとか言って楽屋で配ったソレを、

最後に俺のところに持って来て

みんなには聞こえないような小声で言ったんだ。




「しょぉちゃんはトクベツ!

あのね夜食にも小腹が空いた時にもピッタリの素麺ソースと、おれの母ちゃんから預かったザーサイもね、

ハイ!こん中に入ってるから!食べてね?」


「おぉ、サンキュー・・・

でも何で俺だけ?」




何の気なしに聞きながら目を合わせて、

その近さにドキッとした。



相葉くんは『あっ、』って、

急に真っ赤になって、早口で




「あ・・・っ、いやっ、ホラ、おれの母ちゃん、しょぉちゃんの事気に入ってるから!

しょぉちゃんザーサイ好きでしょっ?くふふっ、

つか今すげぇいっぱい素麺のタレっつーかソース売ってんのね?おれが小学校の時の運動会に持ってったお弁当の素麺なんて麺つゆだけだったのにさ!

しょぉちゃんの好きなジャージャー麺風になるソースなんてのもあんのね!すげぇよなぁ、くふふふっ!

えっと、じゃあ、食べてね?」




なんて。



一気に捲し立てるように一人で喋りまくって一人で笑って、

まるで秋口の初嵐のように去って行ったんだっけ。