君がいるから *3S | 山風に吹かれた櫻葉へのつぶやき。

山風に吹かれた櫻葉へのつぶやき。

ある時は嵐情報。またある時は櫻葉妄想小説。自由に生きております。
腐寄りにつきノーマルアラシックさまは速やかにご退出くださいませ。

君がいるから *1S *2A




「オツカレ、」

「ただいまっ!くふふっ!」




サングラス越し

眩しいくらいの笑顔に、ニヤけそうになるのをどうにか抑えていたのに


光の粒をまき散らしながら窓へと駆け寄って来た俺の天使は

不意に俺の唇に触れ助手席へと回った。




・・・良かった、サングラスしてて。




窓枠に肘を乗せたまま

掌で口元を覆って隠して

右隣へ乗り込んでくるマサキを気配で受け入れた。












絶好調超にカラオケ状態の俺たちを乗せて

クルマは順調に高速を滑り

東へと向かう。



あの時のあの場所と同じではなかったけれど、

夕べ二人でググって決めた海岸へと辿り着いた。




夏の盛りを過ぎた夕方に近い午後の海には

平日だからか人影はなく




「早く早く!しょぉちゃん早く!」




パーキングに停めた途端に雅紀の瞳(め)は輝きを増し、


周りに人目がないのをいいことに

パッパと服を脱いで水着姿になると

ビーチに向かって駆け出した。




「フゥーーー!!」




もうカラダを濡らしている雅紀を追いかけて走り、ダイブする。




「冷てェ!」

「くふふふっ!」




キラキラ、


キラキラ。




夏の終わりを名残り惜しむように降り注ぐ

緋(あか)みを増しつつある太陽光。




その下で雅紀と二人、

実質、貸切みたいになってる浜で


俺たちは


時間を忘れて遊んだ。



{7AD6A2D9-B885-49C7-9D4F-5064F09AFFB9}