*Sweet Chocolate*
#28 Side-S
最初のお話*1
前回のお話*27
マサキにソファーに座るよう言われて深く腰をかけた。
脚を引っ張られ、浅く座り直されたあと
「よいしょ」
マサキが脚の間に入って膝間付いた。
何をしようとしてるかが読めて
嬉しさと照れ臭さで『ナニナニ?』って言ったけど
瞳(め)を合わせてきたマサキの手が
ベルトにかかって
読みが当たった、と思ってニヤけそうになった。
期待値が上がり、
マサキがズボンを脱がしやすいよう体をズラす。
俺だって自分がシたのは初めてだったけど
マサキだって初めてだろう。
脱がしたあと脚ばかり摩るマサキの緊張を解してやろうと
まぁるい頭に左手を伸ばした。
そっと撫でると
指がピクリと反応した。
手を頬に伝わせると
ネコのように目を閉じて掌に擦り寄る。
さらにその手を顔の下へと回し、
顎を持ち上げた。
フワリと薄く開いた瞼から
黒目がちな潤んだ瞳(め)が覗く。
その瞳(め)を離さずに
親指で顎を撫でる。
ソノ クチビルニ フレタイ
コイヨ
コノ クチビルニ フレニ コイ
催眠術師じゃないけど
そう願えば叶う気がして
ハヤク
キス シテ ミセロヨ
言葉にはしないで眼で誘う。
マサキがソファーに上がってきて
互いの視線を巻き取って近付いていくように
距離が縮んでいく。
触れる・・・
柔らかく、受け入れて
不安定な唇の圧をマサキに任せて
舌 を絡め取って
弱めに包み込む。
「んっ、」
切なく眉を寄せたマサキの指が
腿に力を伝え
体重と共に首筋へ顔を埋めると
舐めるようなキスをして
またソファーの下へと
膝を落としていった。
→*29