Mさんに連れられてイタリアンを食べて
美味しいワインでほろ酔いになった僕は
2軒目のバーのカウンターでMさんに強めのカクテルを飲まされそうになっていた。
「や、Mさん、僕明日も仕事あるんすよ、」
「まぁまぁ、コレ飲んだらちゃんと送ってくからさ。
せっかくなんだから。」
「う~ん、じゃぁ・・・少しだけ・・・」
「おぉ、そう来なくちゃな。
ハイ、カンパーイ、」
そのカクテルは口当たりが良くて・・・
・・・あれ?
飲み干したと思ったんだけど
まだ目の前のグラスにいっぱい入ってる・・・
僕の勘違いかな・・・
「・・・はぁ、」
頭がふわふわして良い気持ち。
カウンターの端で壁に凭れられはするけど、
高くて背もたれのないオシャレな椅子はやっぱりちょっと不安定で
「雅紀?大丈夫か?ソファーに移る?」
Mさんが覗き込む。
「んん、大丈夫っす、あ、僕ちょっと。」
トイレに行こうと思って椅子から立ち上がったら、
思ったより椅子が高かったのと
足元がフラついたのとで
よろけてしまった。
左手がMさんに触れて抱きとめられる。
「あっ・・・、
ゴメンなさい、」
「大丈夫・・・?
一緒に行こうか?」
「いやっ、大丈夫っす、
ゴメンなさい、すぐ戻るんで」
Mさんの元を離れてトイレに来た。
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