最初から→*1
前回のお話→*17
キミカケ*18
スモーク越しに宮城くんと服部さんを見送ると、
チラリ、と雅紀を振り返る。
血色の良い唇が、リップの潤いを受けてツヤツヤと誘うように
その柔らかさを主張している。
フレタイ・・・
・・・いや、寝込みを襲うような真似は、
・・・そう思うのに、身体が勝手に雅紀へと向かい合う・・・
・・・見る、だけ・・・
そう自分に言い訳しながら、視線が雅紀の寝顔を辿っていく。
伏せられた長い睫毛が
整った顔立ちを柔和な表情(カオ)に見せている。
・・・薄く開かれた唇・・・
・・・フレタイ・・・
抗えず息を潜めて、その柔らかさを確かめに近付く・・・
・・・チュ・・・ッ、
ゆっくりと触れて、そっと離れる。
ピクリと口元に力が入り、唇が閉じられた。
そしてまた、力が抜けて無防備を晒す。
はらりと落ちたひと束の髪を左の人差し指で掬い流して、
そのまま側頭部に手を添え
今度は唇の間から浅く息をする雅紀の呼吸を塞ぐように
シ タを滑り込ませ、柔らかな甘いとろみを自分の中へ誘い込み味わった。
「ん・・・、」
弱く鼻腔を通った雅紀の甘い声が
鼓膜を刺激する。
誘われるように、
左手に力を込めて角度を変え、
・・・より深く絡めに行った。
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