キミニカケル*17 | 山風に吹かれた櫻葉へのつぶやき。

山風に吹かれた櫻葉へのつぶやき。

ある時は嵐情報。またある時は櫻葉妄想小説。自由に生きております。
腐寄りにつきノーマルアラシックさまは速やかにご退出くださいませ。

最初から→*1
前回のお話→*16


キミカケ*17




「すみませーん、ちょっと次PA寄りますね~、」



「あぁ、はい。」




資料を読むのに没頭していた俺は、

宮城くんの声で我にかえった。




「ンンッ、」




重くなった肩を解すように伸びをして、

リュックに付けた腕時計を見ると

あれから40分ほど経っていた。



右側に視線を移すと

さっきのままの体勢で雅紀が薄く口を開いて寝ている・・・



・・・可愛いな、



クスッと笑って顔にかかった髪を指ですくって耳の後ろへ流してやる。



程なくバンは減速し、宮城くんが声をかけてきた。




「櫻井さんお手洗い行きます?」



「あぁ、俺大丈夫です。雅紀も寝てるんでこのままで。ありがとうございます。」



「了解でーす」




駐車場はスペースが目立つ程度の混み具合だったけれど、

宮城くんはその中でもポツリポツリしか埋まっていないエリアへとバンを進めてサイドを引いた。




「エアコンつけておくのでこのままちょっと行ってきますね、」


「あ、僕もちょっと行ってきます。何か欲しいものありますか?」


「あっ・・・じゃあ、コーヒーお願いしていいっすか、氷なしで。すみません。」


「リョーカイです。じゃ、行ってきます」




服部さんにコーヒーを頼むと

バン、バタン、とドアが閉められ





空間が二人のものになった。