最初から→*1
前回のお話→*12
キミカケ*13
「しょぉちゃん、今度のコンサート会場って見えんのかなぁ?」
「あぁー、どうかな?宮城くん、知ってる?」
「えっ?何ですか?」
「ひとめぼれスタジアムってここから見えるの?」
「あぁー、ちょっと無理ですかね。あの山の向こう側なんで。」
「そっかー、残念!」
景色に視線を戻した翔ちゃんの横で街に向かって思わず叫んだ。
「ひとめぼれのみなさぁ~ん!待っててくださいねぇ~!」
「いやいやいやいや相葉さん、まだ誰もいませんから!っつーかひとめぼれの皆さんて誰よ!」
「くふふふふっ!」
「あぁ、腹減ったな!」
「ホントだね・・・
あ!しょぉちゃん、シェイクあるよ、シェイク!」
「ずんだシェイク?へぇ~、」
「飲む?飲もうよ、ずんだ!」
「あぁ、お二人さん、この後牛タン食べに行きますよ?」
「えぇ~?でもずんだ飲みたくない?」
「ふはは、分かったよ、
じゃあ一個買って分けよ?」
「やったぁ!ずんだ♡
すみませーん、ずんだシェイクひとつ!」
なんとも言えないこのデート感に、
嬉しさがこみ上げて笑顔になっちゃう。
レジのおばちゃんに『孫娘がコンサート行きます』なんて言われたりして、ますます嬉しいっ!
「くふふふっ!」
「ふっ、そんなに美味い?」
ちょっと振り向きながら翔ちゃんに聞かれて、
その優しい瞳にまた嬉しくなって美味しさも倍増!
「うん!すんごいおいしい!
ハイ、しょぉちゃんの番!」
チュウ、ってストローを吸う翔ちゃんが可愛い!
「ねっ?おいしいでしょ?」
覗き込んだら、『ん、』って言いながら
口を尖らせたまま目だけクリッとこっちに向けて。
翔ちゃんに『カワイイ』って言うと怒るから、
心の中でかみしめながら車に向かった。
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