And if...2-99
「ありがとう、松潤お疲れ!」
「まつじゅん、ありがとうね。帰り気をつけてね?」
「ハイハーイ。んじゃ、また明日~」
松潤の車のテールランプが街の景色に溶け込むのを見届けて、
翔ちゃんのマンションに入っていく。
「しょぉちゃんちに入るの、3回目だね!
なんか、キンチョーしちゃうな、あは。」
ドキドキを隠せないおれを斜めに振り返って唇の端で笑う翔ちゃんが、すごくセクシーに見えて、
ドクン、と脈を打つ下腹部・・・
そ・・・か・・・、
昨日の今日で・・・
翔ちゃんちに泊まるって・・・
そうゆうコト、なんだよね・・・
急に恥ずかしくなって、
エレベーターの空間がすごい狭く感じて、
ドックンドックンしてるおれの心臓、翔ちゃんに聞こえてんじゃないかな。
「雅紀?」
「はいっ?!」
「クス・・・、降りるよ?」
「あっ!うん、降り、降りるよね!」
ヤバいヤバい、おれめっちゃ意識しちゃってんじゃん。
絶対翔ちゃんにバレたじゃん。
スゲぇ恥ずいじゃん。
「お邪魔しまぁす、わぁ、相変わらずいい匂いだね!お香だっけ?キャンドル?今度おれんちもやろうかな?」
カチャン、
緊張を隠すように喋り倒すおれの後方で、
翔ちゃんが閉めたドアの鍵の音に・・・
ただの、戸締りなのに、
心臓が飛び出るくらい緊張がマックスになった。