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最初から #1
前回のお話 #49
#50 Side-S
「ンッ、ま・・・まさ・・・、」
グイッとその肩を押し戻して覗き込む。
「なんだよ、どうしたよ、」
ドクン・・・
雅紀の瞳から、涙がはらはらと流れ続けている。
「・・・なんで泣いてンだよ!」
何でナンデ?さっきまで・・・
車ン中では手ェ繋いで・・・
ラブラブだったんじゃねェの?
ラブラブの後はチュッチュじゃねェの?
エレベーターでキスをはぐらかしたからか?!
玄関に入るまで手を繋いでなかったからか?!
「ふっ、・・・ぅう、・・・」
俯いて堪えた声を出す雅紀の肩が震えて・・・
「ぅ・・・、ごめ・・・、
ゴメンしょぉちゃん・・・」
何だよ、ナニ謝ってンだよ、
「ナニナニナニナニ?!どしたの?
なんかした?俺?!」
考えるより早く、両腕が雅紀を抱き締める。
雅紀は自分の気持ちを上手に伝えるのが苦手だから
急かさず
焦らず
ゆっくりと
雅紀の感情が落ち着くのを待ってあげる。
不規則な息遣いがゆっくりと規則的になるまで髪に触れて
・・・抱き締めた腕から慈愛に満ちた温かな気持ちになっていくのは・・・
雅紀の存在そのものが俺の癒しだからか・・・?