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最初から #1
前回のお話 #33
#34 Side-A
翔ちゃんの車に乗ってた
シャツと迷彩のハーパンに着替えて
助手席に座ってる。
窓の外は、夜なのに青白く明るい都会の空が近付いて
左を見ると、右手の人差し指で唇を触りながらCDに合わせて口ずさんでる愛しいひと。
・・・その唇に・・・
・・・触りたいな、・・・
ヨコシマな感情が湧いちゃって
思わずふるふると頭を振った。
「?・・・どした?」
「あっ、ううん、なんでもない!
渋滞・・・してなくて良かったね!」
「そうだね、良かったね。
あァ、・・・手・・・」
「ん? なんすか?」
「いや・・・、手ェ、繋いでもいいかな、」
「ぁ、・・・ぅん・・・」
柔らかそうな口元を離れた翔ちゃんの手が、
掌(てのひら)を上にして待ってるから・・・
指を絡めるように、そっと左手を重ねる。
翔ちゃんがその手を重ねたまま引っ張って、
おれの手の甲に厚みのあるその唇を押し当てた。
されるがままに・・・、
その接触してる場所に見惚れるように眺めていたら、
唇が薄く開いて、
赤い・・・
柔らかな温かい舌が覗いて、
ザラリと甲を舐められて、
・・・腰の内側がざわめき立つ。
→#35A