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最初から #1
「はぁ~、楽しかったね!」
「意外と遊べたな!」
高校生の頃には既に芸能活動をしていた俺は
早々に大人ぶって祭りに行ってもここまではしゃいで楽しむことはしなかった。
たとえ一緒に行ったツレが大騒ぎしていても
空気を壊さない程度に合わせてバカはやったとしても
心の中ではどこか俯瞰で見ている自分がいたんだ。
でも・・・
『えっえっ?ホント?ちょっと貸して貸して?くふふふっ!』
『おぉ~やったぁ~!しょぉちゃんスゲぇ~! スゲぇよ~!』
すげェ楽しいって、
全身から気持ちが溢れて見えるほどに 燥(はしゃ)ぐ雅紀を見ていたら
釣られてどんどん楽しくなって
気が付いたらすげェ ムキになって全力で遊んでた・・・
半歩前を歩く雅紀の頭を見ながら、
祭りの終わりのこの寂しい感じが・・・
そう言えば好きじゃなかったんだったと思い出す。
雅紀との楽しかった時間が眩しすぎて・・・
・・・ついうっかり『帰りたくない』とか言っちゃいそうだな、
歩きながら苦笑した。
「・・・しょぉちゃん、
まだ時間だいじょぉぶ?」
不意に振り向かれてハッとする。
「・・・あのさ、
・・・ちょっと、こっち付き合って?」
ドクン、
何? ナニ? 急に何?
突然、雅紀が電灯の少ない路地へと俺を誘ってくるから
ドクン、
マジで?外だぜ?外だけど?
急にさっきの階段でのキスや浴衣から覗いた脚を思い出して、
ヨコシマな期待に胸が騒ぎ出す。