And if...2-83
「はい、櫻井さん、
はい、相葉さん。
分けっこするならどっちでもいいよね?
お休みなの?楽しんでね。」
「あ、どうも。ありがとうございます、」
「ありがとぉございます・・・」
おれたちに出来たてのおいしそうなソフトクリームを手渡すと
何事もなかったようにまた奥へと戻っていくおばあちゃんの背中を見ながらお礼を言い
翔ちゃんと目を合わせた。
「・・・バレてるし・・・」
もう一度おばあちゃんを見返すと、
奥から小さなダンボールを抱えながらヒラヒラと手を振って
レジの横でおもむろに開封作業を始める。
おれたちはもう一度目を合わせると、
おばあちゃんの普通すぎる反応におかしさをこらえ切れなくなって
道路を渡った先の木陰でケラケラと笑いながらソフトを食べた。
「あぁ、おいしかったね!ごちそぉさまぁ、」
「ご馳走様、美味かったな。」
ハイ、って翔ちゃんからソフトのゴミを受け取ってゴミ箱に捨てる。
振り向くと腕時計から目をあげた翔ちゃんが
「よし!次、行くぞ?」
って自転車に跨った。
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