And if...2-82
湖畔にはサイクリングコースが整っていて、
まるで翔ちゃんが貸し切りにしたんじゃないのってくらい他に誰もいなくて
木々の緑や 木陰から吹いてくる爽やかな風がキモチをあげに来る。
翔ちゃんのちょっと盛り上がった背中を眺めながら、
さっきから笑顔が止まんない。
時々おれを気にして振り返ってくれる仕草もカッコよくて、
どんどん好きが増えていく。
しばらく走った先の駐車場に停めて、おみやげ屋さんを覗くことにした。
子供染みてるって笑われちゃうかな、
でも、
翔ちゃんとお揃いのものが欲しいな・・・
そんなことを考えながら小物を見ていると
「ソフトクリーム食べよ?」
って手招きされた。
店の入り口の販売窓口へ行くと、スゲぇ種類のソフトがあって
コレ決めれんのかなってくらい。
「凄いね、しょぉちゃん!何味いく??」
「俺は巨峰か白桃かな、やっぱ山梨といえばでしょ」
「そっか、そぉだよね!
じゃあさ、きょほーと はくとー1個ずつにして分けっこしよ?」
「いいねぇ~、」
「くふふふっ!」
お財布を出そうとしたら、翔ちゃんがいいよってウインクしたんだけど・・・
「・・・雅紀・・・悪ィ・・・」
「ん?なんすか?」
「俺万札しかなかった・・・カード使えンのかな、」
「くふふふっ!いいよいいよ、おれ出すよ、」
「悪ィ、あーもーカッコ悪ィな!」
「くふふふっ!そんなことないよ、しょぉちゃん、大好・・・」
「いらっしゃい、何にします?」
「あっ・・・えっと、アイス・・・
きょほーソフトと、
はくとーソフトください!
一個ずつね?」
「ハイハイ」
あっぶね、おばーちゃん気付いてないみたいだけど
浮かれて大声で好きって言っちゃうとこだった!
翔ちゃんと目を合わせてヤバかったね、って笑い合った。
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