Discostar★Love 3 #11S | 山風に吹かれた櫻葉へのつぶやき。

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最初から  #1
前回のお話 #10


Discostar★Love 3

#11/Side-S





「こっち、こっち!」




雅紀に手を引かれて、人混みを抜ける。



神社の奥、

えっ、って思うようなところまで来ると

手を離しながら雅紀が振り向いた。





「ココね、おれの秘密基地!

はいっ、ここ座って?

はい、焼きそばね?

あと唐揚げと、お好み焼きもあるよ!」





・・・『秘密基地』。

なんだか心踊る響きに、

知らなかった雅紀のことがまた聞けそうな予感がしてワクワクする。


・・・でもまずはとりあえず・・・

この目の前にあるソース味のシアワセを・・・





「うんめっ!」





お祭りの屋台で買った焼きそばなんていつぶりだろう。


・・・それに・・・


考えたら、今日最後に食べ物を口にしたのは

午前中の出前の親子南蛮きりだった。





「あー、うめェ、なんだろな、

祭りで食うとまたうまいな!」




ふふふ、と微笑む雅紀に、照れ隠しのように焼きそばを頬張る。




ドォォン、




座った階段の真正面に、

沿道の木々が巨大スクリーンの縁のようになって




参道の頭上にぽっかり空いた夜空に

大きな花火が眩(まばゆ)い光を放ち、

一瞬遅れてカラダに重音が響いた。





「おぉぉ、フ(ス)ゲー!」





祭りとか・・・花火自体、もう何年振りになるだろう。


今日だって・・・雅紀が誘ってくれていなかったら

今年の夏もまたこんなに体感できるほどの近さで花火を見ることもなかっただろう。





ドォォン、



ドォォン、





次の一口を口に運ぶことも忘れて、色とりどりの真夏の夜の花に見入っていたら




いつの間にか近付いていた雅紀に



ペロ・・・




口元を



舐め・・・られた・・・