SASS the movie novelized Ⅵ #4 | 山風に吹かれた櫻葉へのつぶやき。

山風に吹かれた櫻葉へのつぶやき。

ある時は嵐情報。またある時は櫻葉妄想小説。自由に生きております。
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櫻葉 Short Story the Movie
Episode Six
Novelized Ver. Edited 2015

 

Ⅵ #1
前回のお話 #3

 SASS*Ⅵ  #4




「わたしはね!」




櫻井が言葉を続けそうになるのを
さえぎるように二宮が続ける。




「わたしは・・・、いいんです。

そりゃ、ぶっちゃけ最初は ジャマしようともしましたよ。


・・・でもね、あの人のキモチが分かりすぎちゃってね、

・・・そんな気も失せました。いいんです。



・・・あの人が幸せなら。



翔さんが相手なら、何の文句もつけようがないですし。



わたしも・・・翔さんのことは大好きですし。

・・・いいんです。」




自分に言い聞かせるかのように・・・、


眉頭に力を入れたまま


自分の拳を見つめながら


ぽつりぽつりと話す。




「・・・でも・・・」




二宮が伏せていた目を真っ直ぐに、
力強い眼差しを櫻井に向ける。




「あの人を泣かせるような事だけはしない、って、誓ってください。

もしもその時は・・・、

いつでも・・・、

わたしが控えていること、

忘れないでくださいね?」




二宮の真剣な様子に、

余計な言葉は要らない、
と判断した櫻井が静かにうなずく。




「・・・分かった。

約束する・・・



ありがとう、ニノ。」




視線を交わして、

二宮が口をキュッと結んで

半分泣いたような、

半分安心したような、

複雑な表情を帯びた笑顔を残し、

歩き出す。



二宮の背中を見つめながら、
気持ちを引き締める櫻井。



・・・と、二宮が身を翻して戻ってくる。



 
「ひとつだけ・・・!」




人差し指を唇に軽く押し当てて
片目を瞑る二宮。




「わたしの気持ちのこと、

あの人には絶っっ対!

内緒にしてください!」


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「・・・い、言わねェよ」




口を尖らせる櫻井を

二宮は下からすくい上げるように目を細めて見つめると、


フフン、


と鼻で笑って、

次の瞬間にはいつもの二宮に戻って

前室のほうへと歩いていった。