始まりのお話→ChainedMoons/PARADOX
#6
まだ少しだけフキゲンそぉな顔のまま、松潤が ずいと差し出しているのは・・・
お米??
「・・・何かこれ、すげぇ高い珍しい米らしいの。
差し入れで貰ったんだけど、俺、今あんま米食わねぇようにしてるから・・・」
「ふぅ~ん・・・えっ、で、しょぉちゃんに?」
「そ、久々の日本食だろうしさ、
まーも栄養つけないとなんねーし、
夜食におかゆにでもして食べてよ。」
「ありがとぉ~! しょぉちゃんもすっごく喜ぶと思う!」
きれいな包装紙みたいな袋に入っているそのお米を、
・・・おれはちょっと複雑な想いで受け取った。
相変わらず・・・、
松潤はさりげなく、相手のことをちゃんと考えてるんだよなぁ・・・。
おれはただ恋しく想うだけだったのに・・・
翔ちゃんの帰りをただ待ってるだけだったのに・・・。
おれもいつか、こんな気配りが・・・出来るようになれるかな・・・?
「えっ、高い米なの?あ~翔さんいいなぁ~、私もそれ食べたいなぁ~。
ねぇ今夜ワタシも相葉さんち行ってい?
食べるのお手伝い・・・」
「・・・ぅんにゃ、今夜くらい、二人にしてやれって!」
珍しくリーダーが突っ込んで、ニノがいたずらっぽく笑い出す。
そのままじゃれ合い始める二人をあったかい気持ちで眺めながら、
少しずつ、翔ちゃんが帰ってくることを実感し始めていた。
・・・空港に着いたら電話くれるってゆってたけど、
予定通りに飛んでるのかな?
早く夜になればいいのに・・・