P•A•R•A•D•O•X #7 | 山風に吹かれた櫻葉へのつぶやき。

山風に吹かれた櫻葉へのつぶやき。

ある時は嵐情報。またある時は櫻葉妄想小説。自由に生きております。
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これまでのお話
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Moon#7





「・・・なんか・・・くすり・・・きいてきたみたぃ・・・」


「え?」


「・・・すっごく、・・・えっちしたぃ・・・」


「はぁぁぁぁぁぁーっ!?」




俺の手を意味ありげに撫でながら発した雅紀らしからぬ、あまりにも予想外の言葉に・・・身体が固まった。




「ちょ、待て、待てって、・・・おま、お前、今の今まで死にかけてたのに、なっ、何言ってンだよっ!?」


「だぁってぇ・・・」



熱を帯びてとろりとした瞳で俺を見上げる雅紀から慌てて目を逸らし、手を振り解きながら言葉を続ける。




「バッ、バカな事言ってないで、とにかく、も少し休めって!

あ、そうだ水!・・・水、持ってきてやろうか!?」




俺の言葉に




「えぇ~?いらなぁ~ぃっ」




と小さく呟き、雅紀は口を尖らせてみせた。


そしてノリの悪い俺に不服そうにしながら、また俺の左手を取ってゆっくりと一本ずつ指を絡ませてくる。



 
「・・・あのなぁ、雅紀、マジで今は無理だって・・・頼むからさ、今夜はおとなしく休めって。な?」




一瞬揺らぎそうになった気持ちを抑え込んで、雅紀と、自分にも言い聞かせるように・・・、絡めてきた指をほどいて離す。


俺が誘惑にノらないのを察したのか、雅紀は諦めように小さくため息をついた。




「・・・んじゃぁ、もう寝るっ。

寝ればいんでしょっ?

寝るからさ・・・しょぉちゃん、眠るまで添い寝してくれる?」
 



そう言うなり、両腕を俺の首へと巻き付けてくる。




「ん、分かったよ、する、する。

添い寝してやるから・・・その代わり、おとなしく寝るんだぞ?」




ゆっくりとベッドに入りながら雅紀を横たえて、

雅紀の髪を左手で撫でながら目を閉じたその綺麗な横顔を眺める。



本当にもう体調は落ち着いたようで、安心したのと同時にさっきの光景を思い出して背中にゾクリと、闇に引き込まれるような嫌な感覚が走った。




良かった、無事で・・・




穏やかな表情の瞼にそっとキスを落とし、唇を離すとクリンと目を開けた雅紀と目が合った。




「・・・目に、だけ・・・?」




やべぇ、そうだった。

今の雅紀には瞼へのキスですら刺激が強いはずだった。


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