「かざまぽんあのさ・・・
おれしょぉくんに合コン誘われたんだよね・・・」
ってアイバくんがオレに電話して来て、昨日がその決戦の土曜日だった。
アイバくんには自覚がないみたいだけど、オレに言わせたらアイバくんもサクライさんも、お互いに惹かれてるよね。
あの夜、寒い中頑張ってサクライさんの帰りを待って良かった。
だってアレがなかったら慎重派のサクライさんと自分を二の次にするアイバくんがまた会って話す機会なんてさ・・・
可能性ZERO~に等しくね?
っつーかアイバくん遅ぇ~!
早く昨日の事とかその前のお泊まりの話とか、いろいろ聞きたい事いっぱいなのにさ!
「カザマ、お待たせ!」
「遅いよ!待ってたよ!」
「くふふふっ!待ってた?」
「待ってた、待ってた!キリンになって待ってたわ!早く行こ?」
「まぁまぁ待てって。1本オゴるからさ!」
「おっ?ナニナニ?ご機嫌じゃないっすか!」
アイバくんはバーカウンターでいつものグリーンの瓶を2本もらってくると、
ハイ、ってオレに2本とも持たせて先に2階へ上がる。
いつもの席に座って手を顎に添えフロアを眺めるアイバくんの横顔が、なんだかいつもよりキレイに見える。
「お待たせ」
「うん、飲も?カンパァイ!」
オレもなんでお待たせって言ったのか分かんないけど、否定しないアイバくんもアイバくんだよね、まぁいつものことだけどさ。
他人には人一倍気を遣うアイバくんがオレにはぞんざいな扱いをするのが気楽で心地いい。
あぁ見えて実は狭い彼のテリトリーに入れてもらえてる気がして嬉しいんだ。
「・・・で、どうだったの?飲み会!」
「あっ、うん・・・えっとね・・・どこから話そう、えっ?聞きたい?話!くふふふっ!」
あーあー、こりゃくっついた感じだな。
幸せオーラ出ちゃってるもん。
「うん、聞きたい!可愛い子、いた?」
ちょっとだけ意地悪。
だってオレより後に知り合ったサクライさんとあっという間に距離を縮めてくっついちゃうんだもんなぁ。
フィズのディスコスター様なのにさァ~
まぁオレも協力はしたんだけどさァ~
あーオレもカノジョ欲しい!